【漫画】クズな行いを繰り返す“ブラックサンタ”と孤独な少年…聖なる夜の出会いから始まる、友情ドラマの奇跡の結末に「号泣」「しびれた」と話題

2024/01/29 18:30 配信

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勝手に家に入っていたずらをするおじさん…少年との出会い、育まれる友情、2人が起こした感動の奇跡とは画像提供/ぱげらったさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、クリスマスの夜、いたずらをしようと勝手に他人の家に入ったおじさんと愛に飢えた少年の話『ブラックサンタのクリスマス』をピックアップ。

作者のぱげらったさんが12月24日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、4.1万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・ぱげらったさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

イタズラでうさ晴らしをするおじさん・ブラックサンタと孤独な少年との出会い…2人に起きた奇跡とは

『ブラックサンタのクリスマス』(1/24)画像提供/ぱげらったさん


「メリ~~~クルシミマ~~ス‼」この日はサンタを迎えるために戸締りをしていない子どもが多い。その上仮に見つかってもこのサンタクロースの恰好ならまず捕まえられない。主人公・ブラックサンタは勝手に家に入り子どもの大切なプレゼントと、もらっても嬉しくないようなプレゼントを入れ替え、年に一度のうさ晴らしをしていた。

2018年、今回入る家も窓に鍵がかかっていない”当たり”で、窓から部屋に侵入。少年が寝ている部屋に置いてあるプレゼント入れは空で、まだもらっていない様子。親が来たらマズいな…と思っていたら、少年が目を覚ましてしまった。サンタさんに会えたと喜ぶ少年。自分の存在がばれてしまい、こうなったら直接嫌なプレゼントを渡すことにした。絶望に顔をゆがませるのを期待していたが、少年は喜んだ。ブラックサンタが、少年がサンタに頼んだものを確認すると「サンタさんにあいたいです」と書かれた手紙が置いてあった。ブラックサンタは少年に「お前ちゃんとプレゼントもらったことあるのか?」と聞くと、首を横に振った。話を聞くと両親はいなく、おばさんと暮らしているようだった。ブラックサンタは子どものころプレゼントをもらえなかった自分を思い出し、特別にもう1つ、今度は喜ばせるためのプレゼントを渡すことに。来年はもっといいプレゼントを持ってくると約束し、家を後にした。

2019年、再び少年の家に訪れるブラックサンタ。少年は1年ずっと楽しみにしていたようで、寝ずに待っていた。今年のプレゼントは「サンタさんとおでかけチケット」。ブラックサンタは少年に「トナカイのソリに乗せてやる」と言った。そこに用意されていたのは、機械でできたトナカイ。今時のサンタはだいたいコレに乗ってると言うが、実はブラックサンタが1年かけて作ったものだった。一緒に乗るもののブレーキが効かず木に衝突してしまうが、少年は嬉しそうに笑っていた。ブラックサンタはまた来年もさらにもっといいプレゼントを持ってくるという。

2020年、例年通りブラックサンタが窓を開けると、少年は嬉しそうにこっちを見たが、泣きあとがある。おばさんと「サンタさんがいるいない」で喧嘩したそうだった。少年を慰め、今年のプレゼント「サンタ1日体験パス」を発表した。運悪くプレゼントをもらえてなかった子どもたちに、一緒にプレゼントを配ろうと、ブラックサンタが1年かけて準備したものだった。無事全て配り終え、来年はさらにさらにもっと良いプレゼントをもってくると約束した。

2021年、今年のプレゼントは格段にすごいと意気込むブラックサンタ。サンタの秘密のアジト、と働きまくって買った小屋を紹介した。少年に合鍵をプレゼントし、いつでも自由に出入りして良いと伝えた。少年はブラックサンタと出会えて幸せだと言う。その言葉を聞き、本当に救われたのは自分の方だと思うブラックサンタ。事業に失敗して無気力にホームレスをやっていた彼が、もう一度やり直す最後の気力をもらえた。最初はただの見栄だったが、今は少年の笑顔だけが心の支えになっていた。

少年の背が伸びるのが早くなってきた2022年、2人はアジトでクリスマスパーティーをすることに。ブラックサンタは赤いサンタのぬいぐるみを少年に渡した。“赤い”サンタということが気になる少年。サンタは普通赤い色だという話から、ブラックサンタは自分の正体について話し始めた。実は本当は人様の家に勝手に入ってイタズラをしていたただのクズ野郎で、サンタと言ったのも口をついて出た嘘であったと。少年は薄々気付いていたという。それでも自分に幸せを運んできてくれたのは間違いなく、誰がなんと言おうと自分にとってのサンタだと言った。2人はこれからも仲良くしていくことを約束した。

2023年、今年も少年はアジトに遊びにきた。なにやらブラックサンタが暗い。話によると、少年のために用意していたプレゼントがカラスに持っていかれてしまい今年はプレゼントが渡せなく、落ち込んでいた。少年はこうしてブラックサンタがクリスマスパーティーを開いてくれることが一番のプレゼントだから、と慰めた。そのとき、玄関先に音がしたので、確認してみると、カラスに持っていかれたはずのプレゼントが置いてあった。一体だれが届けてくれたのか――。

徐々に仲良くなっていく2人と明かされる想い、起きた奇跡に「ええ話すぎて泣いた」「目から水が」「最後に号泣」「最後のオチにしびれた」と読者に感動を与えている。「優しさを忘れそうになった時読み返したい」「素敵な贈り物が読者に届いた」と反響があり、温かい気持ちになれる作品だ。毎年更新され、今年完結したこの物語は「もう風物詩となった」「これがないとクリスマスにならない」「ずっと待ってた」「年に一度の楽しみ」とクリスマスに読者を楽しませている。

ブラックサンタと少年のほほえましい関係に読者が虜に 読者の“風物詩”を創り出した、作者・ぱげらったさんに創作についてインタビュー

『ブラックサンタのクリスマス』(2/24)画像提供/ぱげらったさん


――読者にとって風物詩ともなっている『ブラックサンタのクリスマス』を創作したきっかけをお教えください。

随分前なのでうろ覚えですが単純にクリスマスが近かったのでクリスマスの何かを描きたいなと思って描いたと思います。クリスマスは好きなのでこれまでにも結構よくクリスマス題材のものを描いてます。

――本作を読んで多くの読者が涙しましたが、ストーリーの発想はどのようなところからくるのか、また意識していることがございましたらお教えください。

4ページに収まる話というのが第一条件なのでとりあえずその範囲で可能なストーリーを考えてます。あとは続きを描きたいなと思ってそこに話を足していってる感じですね。

――キャラクターデザインやフォントなどのこだわりについてございましたらお教えください。

キャラデザは話がファンタジー寄りならコミカルに、現実寄りならリアルにという感じで描いてます。個人的にはコミカルなほうが好きです。

――ぱげらったさんの作品は、フルカラーのものとそうでないものがございますが、どのように使い分けているのでしょうか。

そのときの気分とか目的次第ですかね。最近はフルカラーで描きがちです。

――今回、『ブラックサンタのクリスマス』が完結したのでは…?と惜しむ声も上がっておりますが、今後の展望や目標をお教えください。

ブラックサンタに関して言えば完結はしましたがまた今年もちょっとしたイラスト的なものを描けたらなとは思っております。

――最後に作品を楽しみにしている読者やフォロワーさんへメッセージをお願いします。

いつもコメント等ありがとうございます。大変励みになっております。
人に読まれたいという気持ちが一番の原動力で描いているので読んでもらえるだけで感謝です。