漫画やアニメ、ゲームといったコンテンツと並び、いまや日本が誇る文化として、海外でも広く親しまれているコスプレ。2023年12月30日・31日には、世界最大規模の同人誌即売会として知られる「コミックマーケット」(略称:コミケ)が東京ビッグサイトにて開催され、2日間で27万人が来場するなど大盛り上がりとなった。WEBザテレビジョンでは、会場を彩ったコスプレイヤーたちにインタビューを実施。それぞれの「コスプレに対するこだわり」などを話してもらった。
いちばん苦戦したのは、ブロッコリーとも表現される特徴的な髪形の再現ですね。ボリューム感を把握するために、まずは絵に起こして、そこから形を作っていきました。そうしてようやく完成したのですが、ウイッグの上からサークレットを被ると、せっかく整えたカールの角度が全部変わってしまって…。さらに丸4日かけて、「サークレットを被った状態できれいな形」に仕上がるように、微調整を施してきた成果がこちらになります。
それともう1点、“かわのたて”の造形も見ていただきたいポイントです。これだけ中央が飛び出したデザインの盾はなかなかないので、素材選びにもこだわりました。紙粘土だと強度が足りず、コスプレボードだと中央だけ突出させるのが困難だったので、いろいろ考えた結果、編笠に革を貼って制作しました。
衣装は体のラインにフィットするように仕上げたかったので、全部自作で用意しました。キャラクターの性格をイメージして、素材にレザーを使っているのがポイントです。小道具のトランシーバーは、イラストで描かれているものとそっくりなものをネットで見つけることができて、発見したときはすごくテンション上がりました!
高校生のキャラクターなので、派手になりすぎないようにナチュラルなメークを心がけました。そのうえで、麻衣先輩のキリッとした顔立ちに寄せてアイラインを引き、カラコンとアイシャドウの色も合わせて、写真映えするようにしてみました。それと、キャラのイメージを崩さないように筋トレも頑張って、シルエットの再現にもこだわりました。
こだわったのはウイッグの造形です。ナヴィアの髪形は特徴的な縦ロールなんですけど、今回は「3次元に彼女がいたらどんな髪形になるだろう…」と考えながらセットしました。2次元の髪形をそのまままねするのではなく、現実で再現するとしたらどうアレンジするか? その点を意識して、こちらの形に落とし込みました。
衣装はネットで調べて、ゲーム内でレオンが着ているものに限りなく近いジャケットを見つけてきました。ウイッグはゲームならではのCGっぽさを意識して、あえて艶感やボサボサ感が出るようにセットしました。トレーニングを続けて、体形もキャラクターに近づけてきたんですけど、この衣装だとそれが伝わらないのが残念です。
2024年も「ワンダーフェスティバル2024[冬]」(2月11日、幕張メッセにて開催)や「AnimeJapan 2024」(3月23日~26日、東京ビッグサイトにて開催)、「ニコニコ超会議2024」(4月27日・28日、幕張メッセにて開催)など、コスプレも楽しめる大型イベントは全国で多数開催予定。8月11日・12日には、「コミックマーケット104」(東京ビッグサイト)も開催予定となっている。その頃には、どのような漫画、アニメ、ゲームのコスプレに人気が集中するのか? 今のうちからトレンドを分析しておき、会場で答え合わせをするのも面白そうだ。
◆取材・文=ソムタム田井