ちゃんと話し合いをしてほしいと思い、瞳は雅彦と一馬との話し合いの場を設けた。そこに叔母のまきも同席。自分の半生を包み隠さず話していく一馬。瞳は「私はカズくんを人としても尊敬してる。私の決心は変わらないから」と表明した。
雅彦は「ろくに勉強もしないで東大に入れたんだから君は地頭がいいんだろう。今からでも真っ当な職に就けるはずだ。もうお笑い芸人は辞めて…」と妥協案を提示しようとするが、一馬は「辞めません」とキッパリと断った。
「こっちは百歩譲って」「辞めません。辞めるつもりはありません」「お前!」というふうに雅彦に強く言われても一馬は一歩も引かない。
まきの「反対しても無駄ね。この2人はくっついて、瞳ちゃんは苦労ばっかりの人生を送るのよ」という言葉に反論する雅彦に、「あんたには止められないわ。3カ月後にはいないんでしょ?」とバッサリ切り捨て、瞳も「そうだよ。もう死んじゃうんだから」と追い討ちをかける。
一馬の「娘さんを不幸にします!」という言葉に雅彦は激昂し、席を立って出ていってしまった。話し合いはうまくいかなかったが、実はこれは瞳の作戦だった。
雅彦は「死ぬまでにやりたいことリスト」に入っていた「伊豆に行く!」を実行。瞳を連れて思い出の地にやってきた。砂浜を歩きながら、雅彦は亡くなった妻・佳乃(森カンナ)とのなれ初めを伝えた。雅彦が佳乃に一目ぼれし、ずっと片思いしていたが、10年後に結婚。「信じられなかったよ。天にものぼる気持ちっていうか」と話す雅彦に「初めて聞いた。お父さん、すごいじゃん」と瞳も思わず笑顔に。
「死ぬ前に絶対に来たくて。瞳にも教えておかなきゃって」と、伊豆に行きたいと思っていた理由を明かした。そして、この砂浜で撮った2ショット写真を見せて、「この時、お母さんのおなかん中、お前いたんだぞ」と。
雅彦は瞳に「写真撮ろう!」と呼びかけ、「分かってんだぞ、俺は。お前は俺に治療を受けてほしいんだろう?」と、瞳の作戦に気づいていたことを明かした。そして、「でもさ、治療を受け始めたら、俺はもう“がんと戦うだけの人”になっちゃうんだ。それで1年や2年生きたってなんの意味があるんだろう?それだったら残り3カ月、俺は仕事していたい!やり残したことを思い切りやりたい!お前の父親でいたい!」を吐露した。
最初はがんだということを受け入れられず、悩み、落ち込み、最終的に受け入れることにした。そういうことも包み隠さず告白した。雅彦の切実な叫びは瞳の心にも響いたと思うが、それでもまだ“長く生きてほしい”という思いは強いはず。瞳はどうするのか、今後の展開が気になる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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