――佐久間さんの番組を拝見すると、地上波、配信、YouTube、プラットフォームに全て出て、「ファン作り」「芸人へのリスペクト」「人を見る目」のすごさを感じます。番組作りに置いて心がけていることがあるのでしょうか。
そうですかね。才能をめちゃくちゃ見抜けるわけではないんですけど、いろいろなもの見ていて、「この人とこの人掛け合わせたら面白そうだな」「この企画掛け合わせたら面白そうだな」ぐらいですね。ポテンシャルまで全部見抜けるわけではなくて、あの人たちが勝手に売れていってるだけだと思うんです。でも、「企画が思いつく人」は大事にしていますね。
――YouTubeの「佐久間宣行のNOBROCK TV」は特に顕著ですが、「新しい人気者を発掘する人」みたいな感じになってきていますよね。出演者のみなさんを「さん」付けで接するあたりに出演者へのリスペクトを感じます。
みんなね、ありがたいですよね。番組きっかけでちゃんと売れてくれればと。さん付けで呼んでいるのは、「出演者と適切な距離を保ちたい」からなんですね。若い頃に、出演者となぁなぁになって、つまんなくても編集でカットできなくなるような先輩を見てきたので、出演者との距離をちゃんと取ろうと思っています。
昔から、「自分の番組に出てもらった人が、自分の番組のためだけに使われている状態」にはしないように仕事していますね。どんな小さいポジションで出る人も、その人が面白いって言われたり、他の仕事に繋がったらいいなとは思っています。「甘い」って言われることも結構もあるけれど、結果的にそれが積み重なって、たまたま僕の作ったものから、予想外に売れてく人が多くなっているんじゃないですかね。
――「面白い番組を作る」だけじゃなくて、「出演者が次につながってほしい」という思いがあるんですね。佐久間さんの番組に出ている若手の芸人・タレントさんはなんだか気になって調べてしまいます。
そう言っていただけるのはすごい嬉しいなと思うし、魅力的になるように編集も気を使っていますね。
――佐久間さんご自身のことも伺います。2023年は出演者としてもひっぱりだこで、テレビCMにも出演されていました。出役として出る機会も結構増えたことで、ご自身の番組作りに活きていることはありますか?
やっぱり自分の番組を作る方を優先しているのでオファーを結構断っているんですが、出演するのは「現場を見てみたい」ものですね。「日テレの特番ってどうやって作ってんのかな」「あの人どうやって演出しているのかな」「キンチョーの面白いCMはどうやって作っているんだろう」みたいなことですね。出演のお仕事は、実はめちゃくちゃプラスになってます。だって普段は自分の番組の現場しか見られないじゃないですか。出役の仕事は実は作り手人生でめちゃくちゃプラスになっていますね。
――佐久間さんが今1番信頼してる芸人さんや、プロデューサー気質、ディレクター気質の芸人さんっていうとどなたが思い浮かびますか?
番組で一緒にやっている方達はみんな信頼していますよ。でも、番組をオーガナイズしてくれるっていう意味で言うと、特にその気質があるのは、麒麟の川島さんじゃないかな。番組をどういう枠組みにして出演者を輝かせるかってことに関してはすごく長けている芸人さんだと思いますね。
――今、佐久間さんにきっとお仕事のオファーは沢山来ていると思いますが、バラエティーにこだわる理由は?
バラエティーのディレクターはもうそろそろセンスがずれてくる年齢じゃないかって勝手に思っていて。50歳を超えたら、バラエティーじゃない仕事もやろうかなと思っています。ただ、これまでやってきた笑いの知見を活かせることをやりたいですね。そういう意味で言うと、「インシデンツ」もそこに足かけているなと思います。実はいろいろなジャンルのお話はいただいてますね。ありがたいです。
――最後に改めて「インシデンツ2」への想いをお願いします。
シーズン2はもう、乗りに乗っている演者たちが、台本を越えて自在にコントやってるんで、それをぜひご覧にいただきたいです。すごい数の魅力的な芸人が出てくれています。芸人だけじゃなく、ファーストサマーウイカは1つのコントだけポンって出てくれたり、オードリーの春日くんや、アンジャッシュの渡部さんも。よく出演してくれたなっていう、ワンシーンしか出てこない方もいます。錚々たる出演者がこぞって悪ふざけをたくさんしているので、全部楽しんでほしいです。
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