<ダンジョン飯>迷宮内の深イイ話に反響 SDGsな農業イノベーションと環境問題に「ストーリー性の巧みさに感心」との声

2024/01/27 07:30 配信

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アニメ「ダンジョン飯」 第4話が放送(C)九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会

テレビアニメ「ダンジョン飯」(毎週木曜夜10:30-ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラス・Huluほかで配信)の第4話「キャベツ煮/オーク」が1月25日に放送された。センシ(CV.中博史)が普段拠点としているキャンプ地へと立ち寄ったライオス(CV.熊谷健太郎)たち。一行の目の前に現れたのは、土でできた魔法生物のゴーレムだった。今話はダンジョン内の社会問題が分かる、これまで以上にリアルなアプローチが面白い回となった。(以下、ネタバレが含まれます)

脱法農業で新鮮野菜を収穫


迷宮地下3階を進むライオスたち。ここにはセンシが拠点にするキャンプ地があった。墓地を抜けた先にある構造からか、地下3階はスケルトンやグールが徘徊し、食べられる魔物が少ない。そのためセンシはここを拠点に2階、4階で狩りをしているのだという。そんなセンシが発案した革新的な農法が、ゴーレム畑の野菜栽培だった。

センシが出現したゴーレムを手慣れた戦いぶりで始末すると、崩れたゴーレムの土山にはじゃがいも、にんじん、キャベツなどがきれいに育った野菜畑が残る。それの収穫後、土の手入れをするセンシ。彼は、種まき→収穫→種まきのサイクルを、ゴーレムの体を畑代わりにして行っていたのだ。ゴーレムを簡単に倒していたのも、“核(コア)”を自分で埋め、場所を把握しているからだった。

許可のない魔法生物の起動は犯罪だと怒るマルシル(CV.千本木彩花)、脱法魔法生物だと呆れるチルチャック(CV.泊明日菜)をよそに、センシは「わしはただ土を掘り返して元に戻しているだけだ」と白々しくうそぶく。センシにとってゴーレムは、とても優れた野菜畑だった。害虫は付きにくい。野菜泥棒も追い払う。水分管理も自分でしてくれる。さらに野菜が根を張ることで土が強固になるから共生関係にもなっているという。こんなゴーレムの活用法があったとは、ダンジョン内でのSDGsな農業イノベーション。

また、ここではセンシが行っている迷宮管理も明らかになった。冒険者たちが使うトイレの始末、階下からの魔物を食い止めるためのゴーレムの維持。センシによる陰ながらの努力があって、この階層の秩序や魔物の生態系は保たれていたのだ。「ダンジョンも畑も一緒だ ほったらかして恵みを享受することはできん」というセンシ。「便利と安易は違う」という名言もあり、彼のダンジョンへの愛と哲学が伝わる良いエピソードだった。