<ダンジョン飯>迷宮内の深イイ話に反響 SDGsな農業イノベーションと環境問題に「ストーリー性の巧みさに感心」との声

2024/01/27 07:30 配信

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アニメ「ダンジョン飯」 第4話より(C)九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会

魔物も社会を持っている。迷宮内での異種族間の軋轢と交流


野菜を大量収穫した一行は、物々交換をするために冒険者の溜まり場へ。そこはガラの悪い冒険者や地上に戻れない曰くつきの連中がたむろする場所だった。不安が的中する形で追い出されるライオスたちだったが、そこにオークの集団が襲撃をかけてくる。あっという間に駆逐されるならず者たちだったが、ライオスたちだけは見逃される。このオークたちはセンシの顔見知りで、彼がいつも野菜の取引をしている相手だったのだ。

センシのパン作りへの一念が功を奏し、ライオスたちはオークに連行されることに。聞けば赤い竜の出現で、集落から避難してきたのだという。ここでのオークたちとの交流も、迷宮での厳しい生活を垣間見るものだった。人間やエルフに地上を追われ、逃げ込んだ迷宮内でも棲家を奪われそうになる迫害を受けている。私利私欲のためだけに迷宮を荒らす冒険者の行いはライオスにも耳の痛い話だった。

また、マルシルにしてもエルフゆえのオークへの悪感情があったが、彼らにも家族がいて、子どもがいるという生活を見て、少なからず心境に変化はあったようだ。何よりオークから振る舞われた料理は、彼らが奪うだけの種族ではないと認識させられるものだった。

ここまでの3話とは異なり、ギャグ抑え目で、農業や種族間の軋轢といった思慮に富んだテーマが描かれた今話。放送後のSNSでは、「食物連鎖な展開から人とオークの関係への話を導く、そのストーリー性の巧みさに感心」「ゴーレムを畑に農業の話題をやってて、現代農業とか生態系とか民族問題とかこんなところで考えるとは思わなかった」「食べ物を通じて、人は種族を越えて分かち合える。心が温まる良い話だった」など、共感性に打たれたコメントが相次いで寄せられていた。

アニメ「ダンジョン飯」 第4話より(C)九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会