コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップするのは、漫画家の加藤拓弍さんがX(旧Twitter)に投稿した「魔法少女あキララ☆」(X掲載時は「打ち明ける彼は魔法少女」)。本作は“魔法少女に変身する男の子”という、性別変化が主題として描かれている。2023年12月1日に加藤さんがX(旧Twitter)に本作を投稿すると、3.6万件もの「いいね」が寄せられたことで大きな反響を呼んでいる。この記事では作者の加藤さんにインタビューをおこない、本作の制作秘話やこだわりを語ってもらった。
迫りくる敵・テキデビルと戦う宿命を持ち、魔法少女に変身して立ち向かう男の子・あきら。彼はある日思い切って、親友のとおるに「魔法少女に変身した俺は…お前に惚れてる…!」と悩みを打ち明けることに。告白を受けたとおるは「そうか…ん?」と返事をしつつも、状況がよくわかっていない。
「そうだよなッ、いきなり悪い…でも!変身すると…気持ちまで変身?しちまうんだよ。魔法少女…ていうか“女”に!」魔法少女に変身して戦う宿命を持った彼は葛藤していた。「変身するたび、お前を好きになっちゃうんだよ!抑えきれないほど!もう自分で言ってて恐ろしい!!」自分でも心の整理がついていないあきらは、この感情に苦しみを覚えているようだ。
「そういう訳だから俺が魔法少女やってるうちは距離を置いたほうがいいと思う…」あきらはもう1つの姿である魔法少女としての感情に戸惑い、苦渋の選択をする。しかしとおるはあきらの親友としての答えを口にするのだった。
本作を最後まで読んだ読者からは、「嬉しくて魔法少女になっちゃった!」「どんな姿でも真っ直ぐに応援してくれる親友にキュンです」「あくまで素のときはなんとも思ってないのおもろい」など数多くのコメントが寄せられている。
――本作を執筆したきっかけや意図があればお教えください。
性別が変化することを主題にした創作、通称「TSF」と呼ばれるジャンルが昔から密かに好きでした。
旧Twitterで様々な作品を投稿し表現出来る幅も広がっていくのを感じたので、今の自分ならこのジャンルをどう描けるかを試してみたのがきっかけです。
投稿する時はおっかなびっくりだったのですが、思っていた以上に反響があったので少し自信が持てたので思い入れの強い作品になりました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
TSFというジャンルは多種多様で、その好みも千差万別です。
その中でも変化した肉体に引っ張られる精神、内面の葛藤が好みのシチュエーションです。
あきらくん最大の敵は恋する魔法少女(自分)。
自分じゃない自分との闘いに注目してみてください。
――あきらの魔法少女歴はどの程度なのでしょうか。
魔法少女としての戦いはおそらく4クール、もとい1年ほどになると考えています。
その中でもあきらの葛藤が募っている時期は3か月から半年ぐらいの、中盤戦に差し掛かった辺りだとイメージしています。
――あきらがとおるに「打ち明けよう」と決めたきっかけなどはあるのでしょうか。
あきらにとっての「打ち明ける」ことは、裏を返すとあキララの「告白」と同義なので、あきらの苦悩と同じぐらいあキララの恋心が募った結果です。
――あきらが魔法少女に選ばれた理由はなんだったのでしょうか。
「恋するときめきは魔法少女の力の源」なので、恋する力に変換される強い友情を持ったあきらが選ばれた理由です。
自分自身にそこまで自信が持てないあきらですが、投げ出さない使命感や親友の信頼に応えようとする強い心の持ち主というのも大きいです。
あまり信用されてないようですが、ピコたんはちゃんと選んでいます。
――今回書籍化となった本作含むSNS短編集ですが、今後の展望や目標をお教えください。また、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
連載の合間の「息抜きの趣味漫画」が積もり積もってこうして一冊の本にまとめる事が出来ました。
連載作品は勿論ですが、今後ともXに投稿する「息抜き」を見守って頂けると幸いです。
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