僕を食べて欲しい…謎の男の要求に隠された真意とは 「怖い話かと思ったけど違った。凄いお話…」と反響多数

2024/02/20 09:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

【漫画】僕を食べて欲しい…謎の男の要求に隠された真意とは画像提供/選分つかむ さん

コミックの映像化やドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は選分つかむさんの漫画「君の血肉」を紹介する。作者である選分つかむさんが12月29日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4.3万件を超える「いいね」を獲得。どこか薄暗い世界観と、最後まで読んで物語の意味がわかるストーリーが大きな反響を呼んだ。本記事では選分つかむさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。

突然向けられた突飛な要求に、なぜか従ってしまう女性…

君の血肉(2/13)画像提供/選分つかむ さん


女性が静かに肉料理を食べているようすを、その対面の席についている男性が穏やかに見守っている所から場面は始まる。食器の音だけが響くなか、「これはたぶん夢だ。私は小食で肉なんて食べられないし、目の前の男は知らないし、自分が着てる服は見覚えが全くない」と女性は心中でつぶやく。そしてさらに肉料理を食べ、飲み込みながら、「そもそも、人間を食べたりしない」とこれが夢だと受け入れようとしていた。

時間は遡って、この空間で女性が目を覚ましたときのこと。目が覚めると周りは真っ白で、目の前には机と知らない男。「誰ですか。ここはどこですか」と聞けば、男は少しバツが悪そうに「ごめん、詳しくは言えない。君、お腹は空いてる?」「これ僕なんだけど、食べて欲しいんだ」と唐突な返答が返って来る。

困惑した女性だったが、口の端からはつうっと涎が落ちていく。「なぜかわからないけれど、ただ、『食べなければ』そう思った」何かに駆られるように、女性は男で作られた肉料理を食べ始める。振る舞われた肉料理は煮たり焼いたりとさまざまな方法で調理されていたのだが、やがて料理を口にする女性の瞳からは涙がこぼれるように。「さぁ、これで最後だ」男がそう言う頃には、対面の席には男の姿はもう見えなくなっていた。男の真意を悟ったように、女は男が座っていた席へ向かう…。

同作の思わぬ展開の連続に、SNSでは「怖い話かと思ったけど違った。凄いお話…」「だからか!と、タイトルも内容も途中で腑に落ちました」「1つひとつ食べることで、生き繋ぐことに成功する…怖いけど、最後の力強い眼差しが胸を打ったな」といった声が相次いでいる。

食べる最中、彼を食べるの意味に気付けた女性の心中は…

君の血肉(7/13)画像提供/選分つかむ さん


――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。

幼稚園の時に園長先生がお話をしてくれた「どうして月にうさぎがいるのか」という話の中で、最終主人公(帝釈天)はうさぎを食べません。

子供ながらに、どうして食べてあげないんだろうな。という釈然としない気持ちがこの話のベースになっています。

もちろん、お話の論点がそこではない事は理解していますが笑

その上で、このお話を描くちょっと前に命について考える機会があり、自分なりに「生きる」と「食べる」を描くことで、幼少期の気持ちを解消したのだと思います。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

見開きのページは今回のお話の中のテーマというか、そういう部分を散りばめています。

――さまざまな料理が出てきましたが、それぞれに意味を持たせていたりするのでしょうか。

そうですね。部位が変わっている=時間経過を表しています。

どの部位がどういう調理をされるのかというのを調べて、料理を選びました。

――男性は終始笑顔でした。詳しくは語られませんでしたが、男性は女性のことを知っていたのでしょうか。

そこはあまり意識していないです。

たぶん知らないんじゃないでしょうか。だってどこの誰の命を繋ぐかを知ることはないですから。

――女性が料理を食べ進めるにあたって涙しています。彼女が“食べる意味”に気づいたのは、どのあたりからなのでしょうか。

途中で彼女の中に馴染んだタイミングがあって、そこでやっと気づいたのかなと思います。

どこで馴染んだのか、は見開きで一応描写してるので、読んだ方が探してみてくださると嬉しいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

最近商業にてデビューをいたしました。

せっかく手にしたチャンスです、もっと広く色々な方に楽しんでもらいたいので、目標としてまずは連載ですね。面白みのない回答ですみません。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

ずっと読んでくださってる方、最近や今まさに知ったという方。

一人でも読んでいただけるように、自分の癖に嘘をつかずに頑張るので、今後ともどうぞご贔屓に!