【漫画】半獣の女の子が屋敷のメイドに…仲間の優しさに包まれた”ほんわかとした世界観”に「一生見てられる」「可愛すぎる」の声

2024/02/14 18:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

号泣している半獣のベル・モルフ画像提供/奈川トモさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回取り上げるのは、漫画家として活動している奈川トモ‎‎さんの『陽だまりの棲み家』だ。

『陽だまりの棲み家』の中から数話抜粋された『半獣の子を拾ってきたロリコンの執事長』が奈川さんのX(旧Twitter)に投稿されると、4.4万件もの「いいね」を獲得。作者である奈川さんに、注目を集めた同作を描いたきっかけやこだわりについて伺った。

半獣の女の子が屋敷のメイドに?

『陽だまりの棲み家』(1/28)画像提供/奈川トモさん

身寄りをなくした幼い半獣のベル・モルフは、とある屋敷の執事長に保護されることになった。

保護されてからはメイドとして働くことになったベル。執事長や他のメイドに助力されながら、「靴を履く」「寝る支度」など生活に欠かせない日課を教えてもらう。

また「屋敷の坊ちゃん」であるセオリオとも交流を深めていき、屋敷にいる仲間とベルは仲睦まじい関係を築いていく。

ベルの愛くるしい様子や周りからの優しさを描いた同作に対し、読者からは「登場するキャラがみんな気持ちのいい人で、読んでいて清々しい気分になる」「とにかくベルが可愛くて、何度見ても飽きない」など好評の声が相次いでいた。

作者・奈川さん「一人一人のキャラクターに人生がある」

『陽だまりの棲み家』(25/28)画像提供/奈川トモさん

――『陽だまりの棲み家』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

最初は本編の冒頭・1コマ目のイラストを軽い気持ちで描いたのが始まりです。それを見た友人が「実は食事を運んできた幼女がいて、からかっているところを執事長にたしなめられてほしい」という感じのコメントをくれたので、それならと2ページほど漫画を描いてみました。

そうしたらそれを見てくれた別の友人も「もっと続けよう」と言ってくれて…そうやってコミュニケーションをとるのが楽しくて続きを描いたのですが、4ページ目あたりを描いている時には作品全体の8割くらいは物語が生まれてしまい、だんだんページが進むほどにきちんと漫画が描けるようになりたいと思うようになり、試行錯誤を続けていくうちに気づいたらすごいページ数を描いてしまったという感じです。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

どうしたらキャラクターたちの良さを伝えられるかという部分にこだわって描いていたと思います。特に執事長のロリコンという設定は読み手によって認識にかなりの差があることが描いていて分かったので、どうしたら執事長の良さを誤解なく意図した方向で伝えることができるのか塩梅が難しい部分でもありました。

今回Xに投稿した分は作品のほんの触りの部分なので、世界観を伝えきれていませんが、本編は半獣にとってものすごく過酷な世界で、そういった中でほんのわずかに存在する奇跡みたいな出会いや環境にクローズアップした作品となっております。

一人一人のキャラクターに人生があるんだと、奥行きを感じながら読んでいただけたら嬉しいです。とはいえ肩ひじ張らずに読んでもいただきたいですし、作中はバカみたいな展開もたくさんあるので、シンプルに笑って楽しんでいただけましたら嬉しいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

今回投稿した分の中からあげるのであれば、街へ行って半獣の特徴である耳をベルが隠そうとした時に、坊ちゃんが投げかけたセリフでしょうか。

あのセリフは坊ちゃんが今まで生きてきて関わった大事な人や坊ちゃんそのものを表している重要なセリフなので。本編を読み進めてからもう一周すると、「ああ、そういうことか」と思っていただけるシーンだと思います。本編はこれ以外にも気に入っているシーンが語り切れないくらいたくさんあるので、少しでも気になった方はぜひ読んでいただきたいです。

――作中に登場するベルは様々なタッチで感情を表現されていて、しかもとても愛くるしいものが多い印象でした。描く際にはどのようなことを意識しているのでしょうか?

ベルはマスコットキャラのような存在ではありますが、可愛いさを押し売りしないように意識しています。可愛くしようとするとあざとくなってしまうので、ベルはその逆で不要なものを削ぎ落とすようなイメージですね。誰もがそうだったような子供らしさと、それでいて全然子供らしくない面も同時に持ち合わせているイメージで描いています。

――奈川さんの作品は半獣やタヌキといった動物をベースにしていますが、今後物語に取り入れたい動物があればぜひ教えてください。

鳥が好きなので、もしまた動物を物語に入れることがあるなら鳥を描いてみたいですね。基本的に生きものは全般好きなので、もしかすると何年かしたら昆虫や魚もいいなぁと思っているかもしれませんが。今のところは鳥が描きたいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

まずは連載中の『お前、タヌキにならねーか?』を最後までしっかり描ききることを目標にしてます。連載しながら技術の向上もしていきたいです。

残念ながら『陽だまりの棲み家』はどうしても手がまわらないため、休載しているような状態ですが、そのうちまた続編をどこかのタイミングで描けたらと考えています。まだまだやりたいことがあるので。商業向けの作品ではないので難しいかもしれませんが、個人で描いても生活していけるようになりたいですね。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

『陽だまりの棲み家』を読んでくれているみなさま、長いこと更新をお待たせし続けていて申し訳ございません。何かと拙い作品ではございますが、ずっと大切に思ってくれる方がいることを誇りに思います。

作品の続編は私自身が誰よりも見たいと願っていると思うので、まだ諦めていません。いつになるか分かりませんが、続編が描けた際にはまた読んでいただけましたら大変励みになります。

2022年12月にkindleインディーズにて『陽だまりの棲み家』本編を加筆修正を加えて読みやすくまとめた1巻を出しております。描き下ろしエピソードも加えておりますので、未読の方はぜひこちらも楽しんでいただけましたら幸いです。