物語のポイントに話を戻すと、今話では新キャラクター、カブルー(CV.加藤渉)の登場で話に少し広がりが出始めた。第1話冒頭や前話のオーク回でもちらっと触れられたが、元々このダンジョンは千年前に滅亡した“黄金の国”であり、狂乱の魔術師によって地下に囚われ続けているという。ダンジョンから這い出てきた王を名乗る男は、狂乱の魔術師を討伐した者には国の全てを与えると言い残し、塵(ちり)となって消えたらしい。
冒険者たちは本来、魔術師の討伐が目的だったはずだが、諦めてしまったのか。今ではダンジョン内での日銭稼ぎに落ち着いてしまっているようだ。ただ、カブルーのパーティーは本気で討伐を目指しているようで、彼らによると最近ダンジョンに変化が起きているともいう。変化と言えばオークも普段は深部にいるレッドドラゴンに集落を襲われたというが、もしかしたらそれとも関係があるのかもしれない。
そんなカブルーたちは宝虫の擬態に騙されて全滅してしまったが、死体は運良くライオス一行に見つけられている。今回はあっさり出番が終わってしまったが、オープニングにも出ているキャラクターなので、またどこかで登場する機会はありそうだ。
回想シーンではあるが、今話ではファリンも登場した。第1話ではいきなりレッドドラゴンに食べられてしまったので、彼女がどんな子だったのかは今回初めて語られた部分だ。
道中、ライオスのミスから大量の霊に追われることになってしまった一行。そのときチルチャック(CV.泊明日菜)たちが思い出したのがファリンのことだった。マルシル(CV.千本木彩花)の爆破魔法で窮地を脱したライオスだが、「あんな派手な魔法しかないのか もっとファリンみたいな適当なものでいいんだが」と彼女に注文を付ける。ライオスはファリンがどれほど高等なことをしていたのかを分かっていなかったのだ。
チルチャックが言うには、ファリンは霊の扱いがうまかった。たとえ相手が襲ってくる霊であっても慈愛をもって向き合い、優しく包み込むように祓っていた。物理攻撃が効かない霊たちに追われたことで、改めてファリンの存在の大きさを実感するライオスたち。そんなファリンの姿は視聴者にも刺さり、「いなくなって分かるファリンの有難み。やっぱり冒険はパーティーだね」「サイコパスな兄と違って大天使ファリンちゃん」「ファリンほんとにいい子。マルシルとチルチャックが救出を手伝うのも分かる」といった感想が相次いで寄せられていた。
なお余談だが、ファリンを僧侶系と誤認している方もいるようだが、彼女は強化や回復、除霊を得意とする魔術師だ。そんなファリンに対し、「ファリンがいたら今頃こんなおいしい物は食べられなかったろうな」と、言いたいことは分かるが例えの悪い失言をしてしまうライオス。冷えたソルベを食べながら、パーティーの空気をキンキンに冷やしてしまうのだった。
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