<道産子ギャルはなまらめんこい>佐倉綾音「ギャルってすごく愛があるなと思います」

2024/02/05 19:00 配信

アニメ インタビュー

TVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』で、冬木美波を演じる声優・佐倉綾音撮影=熊木優

東京から北海道北見市に引っ越してきた男子高校生と道産子でギャルの女子高生の交流を描くTVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』(毎週月曜深夜24:30〜テレ東、テレビ北海道、BSテレ東ほか)が現在放送中。ヒロインである”道産子ギャル“を演じる佐倉綾音花守ゆみり上田麗奈の3人に“ギャル”をテーマに話を聞いた。

1・2話をプレイバック


「だい1わ」では、極寒の中で道に迷っていた四季翼(CV:島﨑信長)と氷点下でも生足でミニスカートの冬木美波(CV:佐倉綾音)との偶然の出会いから、翌日にクラスメイトとして再会し、次の日にはお家デートに誘われるという急激に距離を縮めていく様が描かれていたが、「だい2わ」では、北見冬まつりへのデートが実現。

砂糖をかけたホットドッグや“やきそば弁当"などのご当地グルメをしっかりとレポートし、かまくらで密着した二人が意図していない卑猥な会話も繰り広げられる中で、お互いの家族も登場。素直で一生懸命な翼を通して、道産子ギャルである美波の外見だけでなく、ピュアで優しい内面も表出。
また、翼の祖母に「二人はどんな関係なの?」と聞かれたことによって、お互いが相手のことをどう思っているのかを意識始める展開となっていた。

そして、最後に学校の教室で「スキー教室のしおり」が配られ、バスの座席表を見た翼は、隣に“秋野沙友理(CV:花守ゆみり)”という名前を見つける。二人目の道産子ギャルである沙友理は翼とどんな交流を見せるのかーー。

キャストインタビュー(佐倉綾音 × 花守ゆみり × 上田麗奈)


——ギャルにはどんなイメージを持ってますか?

花守:順応力が高い。どんな話題でも対応してくれる気がする。私の同級生にはギャルがいて、広く浅く、いろんな話題を持ってる人が多かったですし、みんなやさしかったんですよね。心の余裕があった。

上田:いい意味で、緊張感がないと思います。ちょっと緊張するようなでも場面でも、「いけるっしょ。大丈夫、大丈夫」って自分自身にも言えるし、相手にも声をかけられるっていうイメージがあって。それで私も緊張しているときに救われたことがあるので、ギャル素敵だなって思いました。

佐倉:私は、ポジティブなギャルとネガティブなギャルの2種類がいるなと感じていて。

花守:病むギャルもいる?

佐倉:例えば「だるい」「面倒くさい」「きもい」とか、何に対しても物事を悪く捉えがちなギャル。そして知らないことも楽しいって言えたり、知っていることに対してテンションが上がったり、何に対してもポジティブに取り組むギャル。そのふたつのイメージがあって。あと、前にテレビで冨永愛さんが、「ギャルマインドを大切にしてる」と話していたのを聞いてから、強い大人のギャルもいるんだなということを知りました。声優業界にもたまにいますよね。

花守:わかる。なんか勇気もらえますよね。「いいなー」って。一緒にいると、声量が2割ぐらい上がる人がいて(笑)。この人といると、いつもよりも腹の底から声が出そうってなる。

上田:私は自分の周りにギャルがいたことなかったんですけど、この業界に入ってお仕事をしてる中で、ギャルだなって思う人がいて。ライブイベントで初めてお会いしたんだけど、まる1日ずっと一緒に行動できるくらい寄り添ってくれて。壁をすぐに取っ払ってくれたんです。同じ職種の声優さんで、壁をないものとして入ってきてくれるのがすごく心地いいって思ったのを覚えてまいす。

——美波はまさに誰にでも距離感近めで、仲間意識も強いポジティブなギャルですが、家族や友達、仲間を大切にするっていう部分でのギャルマインドはどう感じます?

佐倉:手放しでいいことですよね、とても。

花守:他者を大切にできるってことは、ちゃんと自分も大切にできてる人じゃないと無理だと思ってて。一方的なものだと、相手にバレちゃうと思うんですよ。本当にそう思ってる?みたいな。でも、それがちゃんと伴ってるし、自信の根拠はないけど、ちゃんと自信があって、なおかつ相手のことを肯定してくれるって、その人の才能だしいいなって思う。ギャルマインドを持った友達が欲しいです(笑)

佐倉:たぶん心のキャパシティが広いんだと思うんですよね。人にやさしくするためには心に余裕がないとできないし、ギャルってすごく愛があるなと思います。

花守:ギャル、奥深い!

上田:確かに。お二人が言ってたので、なるほどって思いました。……私から新たな言葉は生まれなかったんですけど(笑)。

——(笑)。本作にはいろんなタイプの“道産子ギャル”が出てきます。最後にこの後の展開を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

花守:まさに、“かわいい”と“ギャル”がいかにいろんな色があるか、話数ごとにこっちでくるんだ!っていう驚きがあるアニメだなと感じてます。テンプレート的な魅力にあふれているように見えて、実は下地に敷かれている人間の心の動き方は面白いアプローチだなって思うことがたくさんあるので、「本当にかわいいな。ギャルに癒されたい」っていう入り方をしてもらって、終わった後に、彼女たちと離れるのが寂しくなるくらい愛おしく感じてもらえる作品だと思ってます。ぜひぜひ原作と併せてアニメも楽しんでいただきたいですね。

上田:原作も読ませていただいて、最初の方は、「ギャルがかわいいな」「新しいフェチへの扉が開きそうだな」とか、いろいろな刺激を受けながら読んでたんですけど、読み進めるうちに、翼くんたちの友達としての関係性に惹かれていきました。翼くんはどんどん道産子ギャルたちに癒されていくし、逆にギャルたちを癒していく。かわいいも感じられるし、北海道に行きたいなっていうワクワクも感じられるし、翼くんと道産子ギャルのやり取りに癒されもする。いろんな楽しみ方ができるので、ぜひ皆さんも注目して観ていただけたらいいなと思います。

佐倉:1人1人抱えているものがあって、そこをギャルマインドでみんなで乗り越えていく作品だと思っています。元気をもらえることには間違いないんですけど、頭を空っぽにして見る作品かと思いきや、何かを受け取ったような気がする。その何かはよくわからないんですけど(笑)、言葉をすべてとしないギャル性質ならではの作品だし、感覚的にやり取りをするという意味でも、ギャルマインドに溢れている作品なのかなと思います。知らない土地での恋愛模様という点でも、北海道に憧れを持ってもらえたらうれしいかなと思うので、原作共々アニメも楽しんでいただきたいです。

(取材・文=永堀アツオ)