2024年に配信された2作品の他にも昨今の韓国ドラマは、俳優が体当たりで挑んだ上質なアクションシーンを楽しめる作品が多い印象だ。特殊能力を隠して現代を生きる子どもたちと、過去の秘密を抱える親たちが、時代を超えて、迫りくる悪と危険に立ち向かうSFアクションドラマ「ムービング」(2023年)では、体が浮いてしまう“飛行能力”を持つ主人公のキム・ボンソクを演じたイ・ジョンハはワイヤーアクションにも挑戦。穏やかなキャラクターを体現するため、体重を30kg増量して本作に臨んだという
次元の違うパワー、超人的な五感能力、治癒能力など異次元の力を持つキャラクターが多いが故に、単に殴り合ったり、銃で撃ち合ったりするだけではない異色のアクションも見どころの一つとなっている。
もちろんアクションだけでなく、現代と過去をそれぞれ丁寧に描き、やがて点と点がつながるストーリーも秀逸で、同作はアジア全域でテレビ、OTT(動画配信サービス)、オンラインコンテンツを対象に優れたコンテンツの功績を称えるイベント「アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード」で最優秀クリエイテイブ賞を含む全6部門を受賞するなど、韓国内のみならず文字通りグローバルなヒットを記録した。
ナム・ジュヒョクが兵役前最後に挑んだドラマ「ヴィジランテ」(2023年)は、ジュヒョク演じる勤勉な警察学生キム・ジヨンが裏では“ヴィジランテ(自警団)”として法に代わり悪人に制裁を加えるという、いわゆるダークヒーローもの。身体能力に長けたジュヒョクによる見応えのある激しいアクションシーンがふんだんに組み込まれた。これまで割と穏やかなキャラクターを演じることが多かったジュヒョクのギャップに驚かされたという声も少なくない。また、正義のためなら暴力もいとわない異端刑事チョ・ホンを、ユ・ジテが体重を20kgも増量する肉体改造を行って演じたことも話題に。ジヨンとホンの闘いも見応えたっぷりだった。
そして、チ・チャンウクやウィ・ハジュンら人気俳優が共演したことでも話題となったドラマ「最悪の悪」(2023年)。麻薬取引の潜入捜査のために犯罪組織の仲間となるパク・ジュンモ(チャンウク)と組織のボス、チョン・ギチョル(ハジュン)らのスリリングなアクションは容赦ない描写も多く、思わず目を覆いたくなる人もいたのでは。襲撃された組織のアジトで血しぶきを浴びながら繰り広げるアクションシーンもあり、“アジアの貴公子”チャンウクや「イカゲーム」で話題のハジュンがダイナミックかつ繊細な演技を披露し、大きな反響があった。
それ以外にもまだまだ本格的なアクションシーンが堪能できるオリジナル韓国ドラマがディズニープラスでは多数独占配信中。一口に「アクション」と言ってもバイオレンス色が強いものから、ファンタジックなものまで幅広いので、自分の好みに合った作品をチェックしてみてほしい。
◆文=suzuki
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