小林賢太郎が語る「テクネ 映像の教室」のこだわりとは

2017/08/25 12:00 配信

芸能一般 インタビュー

技術の革新やインターネットの普及により、さらに大きな広がりを見せている映像の世界。そんな中、NHK Eテレの「テクネ 映像の教室」では、名作映像を制作過程と合わせて見せる「クリエイティブ・プロセス」と、さまざまな映像の第一歩である“コンテ”を紹介する「コンテ・テクネ」の2つの新企画を、8月26日(土)、9月2日(土)、9日(土)夜0時25分から放送する。映像の技術を分かりやすく、新しい表現で紹介する同番組に参加している小林賢太郎にインタビューを行い、番組への思いや創作の秘密を聞いた。

8月26日(土)放送の「テクネ・トライ」コーナーには、平岡政展と野村律子の制作過程に密着(C)NHK


作品の発想は24時間体制


――今回のオファーが来た時はどう思いましたか?

まだ続くんだなと思いました(笑)。前のシリーズもずっと参加していて、引き続きお手伝いさせていただけるということがうれしかったですね。好きな番組なので。

――レギュラー出演されているテレビ番組は「小林賢太郎テレビ」(NHK BSプレミアム)と、この「テクネ」のみですが、あまりテレビに出ない理由は何でしょうか?

僕の仕事の比率は、裏方の仕事が9割で、出演者としての仕事は1割くらいです。1見たら、見えないところで9働いていると思ってください(笑)。例えば「小林賢太郎テレビ」は、脚本書くのに1、2カ月はかかります。さらに絵コンテ作って稽古してリハーサルして収録して編集してと、オンエアまでにはさまざまな工程があります。

僕はそのほとんどに携わっていますから、番組1本作るのに年間の3カ月は埋まっています。だから、こんなもんじゃないですかねえ。舞台や出版の仕事もさせてもらってますので。

――普段、どのような時に作品の発想が思い浮かぶんですか?

もうそれは…作る時間に作ろうとして作る、という感じではないんですよね。24時間体制です。そういうふうに生きているというか。今こうしてインタビューを受けている間にも、途中で1個アイデアが浮かんでいまして、実は、今メモをしたい(笑)。

――ちなみに、今思い浮かんだというのはどんなアイデアなんでしょうか?

あなた(インタビュアー)のお名刺を見てたらね、お名前に“赤”の字が入ってるじゃないですか。で、身に着けているものにも赤い色が入っていたので…もし登場人物が“青木さん”とか“白石さん”とか、名前に色が付いている人ばかりの作品を作るとしたら、それぞれの色のものを身に着けてれば、観客は名前を覚えやすくていいかもなあ、と、そのサスペンダーを見て思いました(笑)。

こういうアイデア未満の「…ということがあったら面白いかもな」ぐらいのことって誰にだってあると思うんですよね。

それを、病的に頭の中に付箋を貼っていくっていう癖があって。で、いざ何かの締め切りがきた時だとか、「テクネ」でこういう技法をショートムービーで紹介したいんですって言われたら、その時にゼロから考え始めるんじゃなくて「あ、だったらあの時の付箋が使えるな」っていうふうに出してくるというような感じですね。

関連人物