太陽は「この奇跡を終わらせてください」と日下たちに頭を下げたが、一度受け入れたらすべての五感を失うまで終われないというのがルール。また、太陽が死んだ場合は、雨も命を失う。このまま見ているしかない状況にさらに涙を流す太陽。
「(自分には)救う価値なんてない」と嘆く太陽に、「太陽はこの世界に必要だよ」と雨。それは、高校時代に雨の心を救ってくれた太陽の言葉「雨はこの世界に必要」になぞらえたものだが、雨の心からの思いでもあった。
触覚を失った雨が気付いたのは、「触覚はきっと…幸せを確かめるためにあるんですね」だった。誰かが抱きしめてくれる肌の感覚、誰かに触れる自分の手の感覚…、それらは幸せに通じていたのだ。この物語を通して、ハッとさせられる瞬間だ。
“奇跡”は続く。次に雨が失うのは視覚と決まった。タイムリミットは34日後。それは「桜まつり」の日だ。一人前の花火職人を目指す太陽は、「今の俺には無理だよ」とこの日に自分が作った花火を上げることをあきらめていた。だが、奇跡を知った今、「あなたの花火を私に見せて」という切なる願いをかなえるため約束をする。
触覚を失いつつも、頬に触れ、抱きしめ、太陽を励ました雨。そんなラストまでずっと涙を誘われっぱなしだった。SNSでも「涙腺崩壊」「泣きすぎてつらい」「涙止まらん」といった声が上がりつつ、「最後はうれし涙を」という希望も寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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