コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回取り上げるのは「GANMA!」で連載されている、あずまたまさんの青春必至のラブコメ劇場『恋したので配信してみた』だ。
同作の第1話があずまたまさんのX(旧Twitter)に投稿されると、多くの人に注目されて4.5万件もの「いいね」、100件を超えるコメントが寄せられている。そこで作者であるあずまたまさんに、『恋したので配信してみた』を描いたきっかけやこだわりについて話を伺った
生まれ持っての悪人面と不器用さで友達ができない犬塚悠。高校進学にともなって学生寮で生活することになり、これまでの不甲斐ない学生生活から脱却するために「青春を謳歌すること」を決意する。
しかし、寮と聞いてたどり着いた先には立派な一軒家が…。そこには既に、有栖川白愛・慈美柚子・高嶺そら・佐藤アルヴィナ・早乙女颯太という個性豊かで美男美女の同居人たちが住んでおり、悠が訪れた後、親睦を深めるため「入居パーティ」を開くことに。
手始めにそれぞれが自己紹介をする際、寮を管理している白愛は、寮に住むにあたって「共同生活と監視」が義務付けられていることを同居人たちに伝える。そしてパーティがおこなわれ、悠はみんなと楽しむうちに「やっていけるかもしれない」と手ごたえを感じていた。
パーティが終わった後、中学生時代にネットで配信をして居場所を作っていた悠は、リアルの世界で周りとつながりを持つために、「俺は変わるんだ」「配信と関わらない」と決意する。しかし、彼の決心とは裏腹に、他の同居人たちは自室で衣装に着替えて…。
まさかのラストに、読者からは「配信から距離を置きたい悠と、配信者の同居人たち。この対比が面白すぎる」「同居人たちのキャラがみんな可愛い」「悠がどう青春するのか、先が気になる」といった好評の声が相次いでいた。
――『恋したので配信してみた』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
当時の担当編集さんに「たまさんは配信者が好きだから配信者の漫画描いたら?」と提案されたのがきっかけです。
ジャンルがラブコメであることは元々決まっていたので、「学生」「共同生活」「秘密」という要素を話し合いの中で加えていきました。私の好きな「可愛い女の子とかっこいい男の子」を存分に描ける設定とストーリーにしたいと思いました。また配信を見ること、することの面白さも表現できたらいいなと思い、今の形になりました。
――『恋したので配信してみた』第1話を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
登場人物が6人と多いので、主人公の悠視点で各キャラの性格を段々把握していく構成にしました。前半と後半でキャラのイメージが大きく変わってしまうというのが注目してほしいポイントです。表の顔と裏の顔のギャップ…口調や表情の違いなど変化を楽しんでほしいです。
こだわった点はそれぞれの配信者姿のデザインです。キャラの好みや性格を反映してインパクトのあるデザインを目指しましたが、作画カロリーが高いのが難点です。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
後半で悠が自分を変えようと決意している裏で、みんなが配信しているシーンが特にお気に入りです。「もう二度と配信と関わらない…!」と固く決意しているのに、すでに配信者に囲まれてしまっている状況がちぐはぐで愉快なので。
――『恋したので配信してみた』にはシェアハウスという設定もあり、さまざまなキャラが登場していますが、各キャラはどのように思いついたのでしょうか?
「ギャップ」を第一に「こういうキャラが実はこうだったら面白い」という視点で考えました。
犬塚悠は見た目は怖いけど、実は素直で小心者。私は主人公を作品の中で一番可愛くしたいので、みんなに愛されるよう不器用で一生懸命な男の子にしました。
有栖川白愛は優等生だけど、実は感情豊かで子供っぽい。しっかり者なのに甘えん坊な女の子に甘えられたいと思って考えました。
慈美柚子は大人しそうだけど、実は意地っ張りでツンデレ。小っちゃいのに態度が大きい猫っぽいイメージから思いつきました。
高嶺そらはクールだけど、実は可愛いもの好きのアイドルオタク。無表情なのに心の中は大騒ぎしていたら可愛いな…と思い考えました。
早乙女颯太は癒し系っぽいけど、実は過激で小悪魔。一番癖があるキャラにしたくて自分の性癖を詰め込みました。
佐藤アルヴィナは陽キャだけど、中二病。イケメンなのにちょっと残念?な感じにしたくて考えました。初期案では白じゃなくて黒でした。
また各キャラには動物のモチーフがあるので、そこからもイメージを膨らませたりもしました。シェアハウス生活の中で、裏の顔が滲み出てしまう瞬間を描けるように試行錯誤しました。
――あずまたまさんは配信の経験はあるのでしょうか?
自身のYouTubeチャンネルで配信しています。作品の宣伝をかねて始めたのがきっかけです。作画配信や雑談、漫画家仲間と一緒にゲームなどをして楽しんでいます。執筆に追われて頻度は不定期ですが…趣味でもあるので今後も続けていきたいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
『恋したので配信してみた』は現在クライマックスに突入しています!
今まで応援してきてくださった方、最近読み始めた方、これから読んでくださる方が、最後まで楽しめる物語になるように全力で描き切ることが目標です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
悠たち6人の行く末を最後まで見守って頂けたら幸いです!『恋したので配信してみた』の電子書籍も第7巻まで配信してますのでよろしくお願いします。
また、現在『VTuberはママならない!』(ウルトラジャンプ)という作品も同時連載中です。こちらもVTuberの「配信」をテーマとしている漫画なので、合わせて楽しんでいただけたら嬉しいです。コミックスも第3巻まで発売中なので、両作品ともぜひチェックをよろしくお願いします!
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