コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は漫画『あことバンビ』の著者であり、『ホリミヤ』の原作を手がけたHEROさんの『入学式』をご紹介しよう。
『入学式』は、女性用の制服を着たがる弟と自身の制服を貸してあげる姉との関係を描いたショート漫画。1月10日にHEROさんが自身のX(旧Twitter)に同作を投稿すると、8万を超える「いいね」が。そんな作者のHEROさんに『入学式』を手がけた経緯やお気に入り場面などを伺った。
姉が帰宅して自室に入ると、そこには“女性用の学生服”を着ている弟の雅紀がいた。
姉は不審に思うことなく、「スカート 履きたかったの?」と雅紀に尋ねる。雅紀は「女子の制服が着てみたかった」と本音をもらし、最後に「ごめんね」と謝った。しかし、姉は以前から「弟は女の子の服に興味がある」と薄々感じていたので、弟の反応をよそに彼の身なりを整える。
“女性の服装に興味があること”を親に言ってほしくないと話す雅紀に対し、「そうする」と頷いた姉は「私は雅紀の制服が着てみたい」と提案。お互いに制服を交換して身にまとうと、姉は雅紀に「卒業したら制服あげるよ」と伝える。「本当?」と反応した雅紀を見た姉は、「嬉しそうな顏 久しぶりに見た」と思うのだった。
そんな雅紀の秘密を知った後、母親から「従妹のあっちゃんがあんたと同じ高校行くんだってさ」「今着てるのあげてもいいでしょ?」と伝えられ…。
普通とは違う姉と弟の関係に対し、ネット上では「優しい世界」「制服を着ている雅紀の表情を見てると、こっちも嬉しくなる」など好評の声が続出していた。
――『入学式』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
Xで、また新しく漫画を掲載したいなと思いました。先に「入学式」というタイトルを考え、そこから話やキャラクターを広げていきました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
姉が弟にリボンを着けてあげるところです。弟が自分の制服を勝手に着ていたことを怒るのではなく、ただ静かに受け止めたという意味を込めました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
最後のシーンで姉の制服のセーターを渡されて喜んでいる弟です。入学式の時のような、わくわくした純粋な嬉しい気持ちが描けてよかったです。
――HEROさん自身は制服に対して、何か思い入れなどはあるのでしょうか?
学生時代は怒られないように指定の制服をなるべくまじめに着ていたので、規則の範囲で自分なりに着こなしていた同級生はかっこいいなと思っていました。
――今後の展望や目標をお教えください。
商業活動もがんばりつつ、XなどのSNSで暇な時にスッと読んでいただける漫画も発表していけたらなと思っています。「なんかシンプルな絵で4コマ漫画描いてる人だよね」と覚えてもらえたら、すごく嬉しいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも漫画や絵を見てくださってありがとうございます!
ご感想・ご意見をいただくたびに、描いてよかったと心から感じます。昨年単行本が完結した『あことバンビ』(朝日新聞出版)もどうぞよろしくお願いいたします!
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