コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、もしゃもぅさんの『つわりが重すぎて3回入院した妊婦の日記』をご紹介しよう。
同作は妊娠後に強い吐き気や度重なる嘔吐に悩まされる病「重症妊娠悪阻」について描かれた漫画で、もしゃもぅさんのX(旧Twitter)に投稿されると、多くの関心を集めたようで9000件を超える「いいね」が寄せられている。そこで作者であるもしゃもぅさんに、同作を描いたきっかけやこだわりについて話を伺った。
妊活を始めて1年ほどで子どもを授かったもしゃもぅさん。喜びも束の間、3日後には「仕事が辛くなるほどの気怠さ」「好物を食べてもおいしく感じない」などの異変が起こり、さらに症状は悪化していき、「吐き気と嘔吐の無限リピート」という地獄のような症状に悩まされる。
重い症状によって限界を感じたもしゃもぅさんは救急相談で大学病院に行き、一時的に緩和したものの、帰宅後に吐き気が復活し、今度は家から近いA院で受診することに。
点滴を打って症状を和らげようとするも、吐き気は悪化して、さらに吐血してしまう始末。仕方なく帰宅したもしゃもぅさんはその後も嘔吐を繰り返し、吐くたびに“色が違う液体”が…。それを見たもしゃもぅさんは「七色だあ…」「虹…なの…?」と思うのだった。
重症妊娠悪阻の辛さを身をもって体験したもしゃもぅさんのエッセイ漫画に対し、「想像以上にキツイ症状で、『早く良くなって』と切実に思ってしまった」「これで周りも理解を深めてほしい」などの反響が相次いだ。
――『つわりが重すぎて3回入院した妊婦の日記』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
悪阻が始まってすぐに「これはなんて大変なことなんだ」と思いました。同じ体験をした方のレポートをネットで探したのですが、私ほど酷い方の話は出てこず、それなら私が描こうと思ったのがきっかけです。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
「症状について、重症妊娠悪阻中に書き残したメモの通りに描くこと」です。症状をオーバーに描くなどのフィクションは絶対入れないということにはこだわりました。また、元々の身長体重や周りからの援助の状況など、私が人のレポートを読むうえで知りたかった情報もたくさん入れました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
第23話の七色の吐瀉物のシーンです。気に入っているというか、「これは只事じゃない」というのが分かりやすいシーンだと思っています。「つわり」と聞くと軽く見られがちですが、こんな恐ろしいことになるのだと、文字的にも見た目的にもインパクトが残せたとシーンなので心に残っています。
――同作を拝見すると想像を絶するほど辛い体験だったと思いますが、今振り返ってみた時に周りの人は何を心がければ、より力になったと感じますか?
周りの人というと、私の場合は医療関係者と配偶者だけだったのですが、配偶者は言うこと無しに頑張ってくれたので感謝しかないです。
医療関係者につきましては、もちろん感謝している方々のほうが多いのですが、「悪阻」に理解の無い人もいました。その人が主治医だったために大変な苦労をしたので、重症妊娠悪阻について知識だけでなく、人の心を持って診ていただきたかったと思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
「つわりで苦しむ方の時間つぶしになりたい」が、私の目指すところです。また、まだこのシリーズは完結していないので、完結させることが当面の目標です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも私の作品をお読みいただいている皆様、本当にありがとうございます!
読者様がいることが、とてもとても励みになり、ここまで続けられています。今つわりで苦しみながら読んでくださっている方もいらっしゃると思います。どうか悪阻が一刻も早く治まり、健康なマタニティライフが訪れますよう心より願っております。
また、『大家さんとハムソー』という漫画が電子書籍になって1月31日に発売されました。この悪阻後に産まれた息子ハムソーとアパートの大家さんのお話です。ハートウォーミングなお話なので、ぜひチェックしていただけると嬉しいです。
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