琵琶湖で年に1度開催される「鳥人間コンテスト」に全力を注ぐ仲間たちの汗と涙と努力の日々を描く青春映画「トリガール!」(9月1日・金公開)。鳥山ゆきな(土屋太鳳)は、一目ぼれした高橋圭(高杉真宙)に誘われ、大学の人力飛行サークルに入部するも、ヤンキーかぶれの坂場大志(間宮祥太朗)とコンビを組むことに。空を飛ぶことで、恋よりもドキドキな夏を描く本作に出演した土屋太鳳、間宮祥太朗、高杉真宙の3人にインタビュー!
――土屋さんと高杉さんは今作で3度目の共演で、間宮さんとは皆さん初共演ということですが、お互いの印象を教えてください。
土屋「祥太朗は和を重んじる幕末の志士みたいな人で、真宙くんは作品ごとに役に染まれるカメレオン俳優という印象でした」
間宮「僕はお二人との共演は初めてで。共演するまでは、二人は『俺みたいなタイプは苦手なんだろうなぁ…』って不安だったんですよ。真宙は大人しくて、太鳳は真摯で誠実できちっと真面目なイメージがあったから。もちろん実際もそうだったけど、太鳳がけっこう抜けていてホッとしました。夏の撮影でセミが鳴いていたら、『わー、鈴虫だ!』って言うもんだから、一気に距離が縮まりました」
高杉「あははは。そうですよね。間宮さんが土屋さんにツッコむので、現場は終始、和やかで。監督もスタッフさんもみんなで1つになって、『トリガール!』をいい作品にしようという熱が感じられるすてきな現場でした」
土屋「ホントそうでした」
――土屋さん演じるゆきなは毒舌女子、間宮さん演じる坂場はヤンキーっぽいのにメンタル最弱、高杉さんは天然メガネ男子という個性的なキャラクターを演じていますが、それぞれ役を演じるにあたって心掛けたことはありますか?
高杉「周りのキャラクターがかなり濃いので、どう演じようかなと悩んで。台本通り、ひょうひょうとやることを心掛けました。あと、メガネをかけることで、圭先輩の理系っぽい雰囲気が出たのかなと思います。僕はもともと視力がいいので、普段はメガネをかけないんですけどね」
間宮「圭先輩って普段は感情の起伏がなくて穏やかなのに、ゆきなと坂場が空を飛んでいるときだけはボートの上で異常なテンションじゃなかった?(笑)」
土屋「そうなんです。ボートの上の圭先輩は、熱い心を秘めた人って分かるシーンでした。ゆきなは、毒舌で竹を割ったみたいに白黒ハッキリした性格で。悩みがあっても、人には見せないタイプで、サバサバ系。周りに流されずに生きてきたゆきなだけど、明るく話していても、実は弱さを隠し持っているのかもしれないと本当の心情を考えながら演じました」
間宮「そうなんだ。坂場は冒頭15分出てこなくて。満を持しての登場する場面では、ヤンキーかぶれに見えるよう、ゆきなに対して威圧感を与えるお芝居をするように心掛けました。理系ばかりの人力飛行サークルの中では異端児で、体育会系っぽい雰囲気を体から発するエネルギーで表現したつもりです」
――劇中、ハードな特訓をするシーンもありますが、どんなトレーニングをしたんですか?
間宮「基本的にはロードバイクトレーニング。劇中、ずっとバイクをこいでるので」
土屋「私は1日ロードバイクの練習をして、その後は別の作品のロケ地だった北海道にもバイクを持っていって練習しました」
高杉「圭先輩は、人力飛行機で飛ばない役ので、僕はそんなに乗ってないですけど。2人はすごいスピードで走っていたから、すごいなーって」
間宮「猛スピードで一緒にバイクに乗るシーンは、俺は横にいて、国民的女優がこけたらどうするんだって気が気じゃなかった(笑)」
――「飛べたら、一瞬でガラッと変わっちゃうかも」というゆきなのせりふもありましたが、フライトのシーンの撮影ではどんなことを感じましたか?
間宮「撮影の終盤、ゆきなと琵琶湖を飛ぶシーンを朝から晩まで1日かけて撮ったんです。飛んだ瞬間は無我夢中で、落ちないようにひたすらペダルを漕いで機体を上げていくんですよ。いちばん感慨深かったのが、着水する瞬間で、刹那的なものを感じました。ゆきなのせりふが切なかった…」
土屋「私も。『鳥人間コンテスト』を見に行ったとき、いろんなことを感じました。テレビでは飛んで着水するまでしか放送されないですが、精魂込めてみんなで作った人力飛行機を泣きながら引き上げる姿や反省会をする姿に身の引き締まる思いでした。『私たちはこの人たちの思いを背負って表現しなくちゃいけない』って」
高杉「たくさんの人たちが1年かけて情熱を注いで作ったものが飛ぶわけだから、やっぱり見ているだけで感動的でしたね」
――撮影で印象に残っているのはどのシーンですか?
土屋「私は居酒屋でゆきなが坂場と出会うシーン。坂場に強くぶつかっていくシーンなので気合を入れて、テンション高くいきました。そしたら、祥太朗がそれを上回るテンションでアドリブ連発してきて。目を見ると笑ってしまうので、おでこに集中していましたが、それでも笑ってしまいそうになって本当につらかったです!(笑)」
間宮「そこは、ゆきなが坂場に必死に食らいついていくシーンだから、『できるだけ太鳳ちゃんを困らせて!』っていう監督の指示があったので」
土屋「アドリブは反射神経でやっていました。掛け合いが楽しかったです」
間宮「あと、おんぶするシーンで『おまえ、やせろ!』って坂場が言うのもアドリブだったよね。そのとき、太鳳が『そこそこスリムになっただろう!』って全力の返しをしてきて面白かった。監督と『あれは土屋太鳳自身の心の叫びだな』って言ってた(笑)」
――土屋さんと間宮さんは、本当にいいコンビだったんですね。ちなみに高杉さんがゆきなに追われる役でしたが、みなさん追う恋と追われる恋、どっちが理想ですか?
高杉「どうだろう、難しいですね。男として理想は追う恋かなあ……」
間宮「いや、追われたいというか、単純にモテたい! 学生時代、男子校だったから、モテたかったですもん(笑)」
高杉「うーん…(悩み中)」
土屋「でも、真宙くんはここぞというときはいくと思ったよ? みんなでテーマパークに行ったとき、全力ではしゃいでいる姿を見て、好きな人ができたら、全力で押していくのかなって思ったので(笑)」
高杉「え、恥ずかしい…」
間宮「この3人だったら、太鳳が完全に引っ張るタイプじゃない? 真宙と俺は二人ともテーマパークのパレードに『イエーイ!』って入っていけるタイプじゃなくて。俺はちょっと斜にかまえちゃって、真宙はおとなしいから。太鳳が『絶対、楽しいよ。行こうよ!』って引っ張ってくれたから、パレードをど真ん中で見られたからね。追う恋っていうのとは違うけど、男の俺らより、引っ張っていく力はありそうだね(笑)」
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