コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、早神あたかさんが描く『目の見えないお姫様が赤鬼に嫁ぐ話』をピックアップ。
2024年1月23日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3.2万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、早神あたかさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
昔々、姿は恐ろしく戦に赴けば味方を勝利に導くほど強い力を持つ“人食い赤鬼”がいた。見た目と力の恐ろしさから、多くの人にとって見たら逃げ出してしまう存在だったが、とあるお殿様はその強さを気に入り、赤鬼とある約束をした。
「もし次の戦に勝たせてくれるなら ワシの娘を1人お前の嫁にやろう」
果たして、赤鬼の活躍により勝利を手にしたお殿様。約束通り娘を紹介したのだが、娘たちは赤鬼の姿を恐れ、嫁ぐのを泣いて嫌がった。しかし、一番末の盲目の娘は違った。嫌がる素振りも見せず、“私は幸せ者だ”と喜んで嫁いでいったのだ。
このお姫様には、赤鬼の外見も内面も含めた本当の姿がしっかり見えていたのだ。赤鬼は本当は人間で、戦のない平穏な日々を望んでいるような心優しい人だった。赤鬼は長い間、人間から忌み嫌われ戦に利用されながら、自分自身ですら自分を“恐ろしいバケモノ”だと思うようになっていたが、お姫様の優しさに触れていくうちに段々と本当の自分を取り戻していく。
お姫様は赤鬼の心を癒し、愛に触れた赤鬼はお姫様を命懸けで守ると決めた。そして二人はいつまでも幸せに暮らしたのだった。
――『目の見えないお姫様が赤鬼に嫁ぐ話』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
実はよく覚えていません。
漫画は2年前に制作したものなのですが、元になるプロット(脚本)は作成時の日付が6年前の2018年になっていました。
短編漫画を描きたかったから書いたと思うのですが、同人誌用なのか投稿用なのか…何に着想を得たのか…頑張ったのですが、さすがに思い出せませんでした。
4年間ほったらかしにしていた間に、コミカライズのお仕事をもらい、連載が始まるとオリジナルの漫画が中々描けなくなりました。仕事の合間を縫って、24時間でオリジナルを描いてやろう!確か昔プロットを書いてほったらかしにしてあった奴があるはず…と挑戦したのが今作になります。結局35時間ほどかかりました。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフを、理由とあわせてお教えください。
昔話がモチーフだったので、キャラクターはお伽話にいるキャラとは違う、ギャップが感じられるようなキャラにしたいと思ってたので、そういうシーンは描いてて楽しかったです。
一番はお姫様がお茶をひっかけるシーンです。
――お姫様には赤鬼の本当の姿がわかっていましたが、お姫様の父であるお殿様にも赤鬼の人間の姿が見えていたように感じます。心の優しい人や偏見で見ない人など、一部の人間には赤鬼の本当の姿が見えていたのでしょうか?
最終的な解釈は読者次第と思ってますが…。
作者としては物語のキャラクターには全員赤鬼は人間の姿として見えていたという認識です。お姫様は目が見えないのでこれ幸いと赤鬼は自分が鬼だと嘯きますが、最初からお姫様は人として認識しています。読者だけが作者にフィルターをかけられて赤鬼のように見えていた…といういじわるな仕組みです。
内面と言う意味では赤鬼の本質が一番見えていたのはやはりお姫様だったと思います。
――X(旧Twitter)投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか。
素直に嬉しいですね。2年前に投稿した時はここまで広がることはなかったので。
読者に見てもらうのに遅い早いは関係ないんだなと実感しました。
――今後の展望・目標をお教えください。
去年1年水面下で準備してきたものが今年は実になりそうなので何か言い報告ができればと思ってます。
後は仕事で描いているコミカライズの方を引き続き頑張っていきたいです。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
本作を読んでいただきありがとうございました。
オリジナル漫画の新作をXに投稿することは当分ないと思いますが、形は違えど、これからも色々なものを発信していければいいなと思ってますので、目に留まりましたら、覗いてみてもらえると嬉しいです。
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