真田広之の凛々しい戦国武将姿に喝采 ハリウッドが本気で描く“戦国日本”と壮大な映像美に目を奪われる<SHOGUN 将軍>

2024/02/27 06:10 配信

ドラマ 動画 レビュー

「SHOGUN 将軍」より(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

徹底した所作指導で作り上げた「SHOGUN」の世界


第1、2話を視聴してまず目を奪われたのは、とてつもなくスケールの大きい映像美だ。1話冒頭で難破船が霧の中から亡霊のように姿を現すシーンや、荘厳な大坂城の門をくぐり虎永が入城するシーンなど、映像はどれもダイナミックで、大スクリーンで見ているかと錯覚するほど。ブラックソーンを乗せた船が大坂へ向かう途中で大嵐に出くわすシーンでは、船体が激しく揺れて船内に大量の水が押し寄せては吐き出され、ハリウッド作品ならではの臨場感が味わえる。

だが物語の舞台である日本の描写は実に繊細だ。所作指導も含め時代劇の経験豊富な日本人スタッフが多数参加しているといい、セリフまわしはもちろん日本刀の扱いや着物の裾さばきなど、細かな所作にも違和感はまったくない。

戸田鞠子(アンナ・サワイ) 「SHOGUN 将軍」より(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

“日本の文化を正しく世界へ紹介したい”という思い


真田も「専門家の監修の下、俳優陣をはじめエキストラに至るまで訓練を重ねて撮影に臨みました。女優陣も、歩き方から障子の開け閉めに至るまで訓練を受け、現代的もしくは西洋的にならないよう、伝統的な所作を再現することに努めてきました」と話す通り、日本人キャストにも徹底した所作指導を行ったこだわりが細部にまで行きわたっている。まさに“神は細部に宿る”。真田が追い求め続けた“日本の文化を正しく世界へ紹介したい”という思いが、障子の開け閉め一つに至るまで貫かれている。

その一方で、海に見立てた枯山水を船が行くタイトルバックや、ブラックソーンが白洲の砂に世界地図を描きながら話をする場面など、日本らしい情景を自由な発想で生かした表現も面白い。

キャスト陣も魅力的。まず、真田が演じる戦国武将姿が凜々しく、重厚でかっこいい。浅野忠信平岳大、西岡徳馬、二階堂ふみら時代劇を経験してきたキャスト陣の凛とした存在感も見ごたえがあり、2話で描かれる虎永と刺客の死闘などアクション俳優・真田をはじめキャスト陣によるキレのある殺陣も見どころの一つだ。

「SHOGUN 将軍」より(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks