――ここから現在放送中の『島根啓明結社篇』を振り返っていきますが、まず序盤の見どころは学園祭ですよね。燐と雪男と3人でのダンスシーンは幸せそうでした。
花澤 最高でしたね。しえみちゃんにとってこの3人の心がひとつになる瞬間って特別だし、何よりも幸せな時間だったと思うんです。それだけに「ここが幸せのピークなんだよな」とも思っちゃって(笑)。このあと、辛い展開が待っていることが分かっているだけに、ここでなんとか食い止めておきたかったなみたいな気持ちもあって。…ほんと、ここまでは最高だったんです。
――燐役の岡本信彦さんや雪男役の福山潤さんとの掛け合いはいかがでしたか?
花澤 掛け合いそのものは7年前と変わらず、そのまんま燐と雪男でした。学園祭のシーンでは、福山さん自身も「楽しいのはここまでだな」みたいなことをおっしゃっていたので、ストーリーの展開に合わせてまた少しづつ雰囲気は変わっていくのかなと思ったり。あとは休憩中の話題がちょっと変わりましたね。最近は「健康」についての雑談が多くなって、そこは7年という月日を感じる瞬間もあります(笑)。
――ダンスパーティーの後は、志摩廉造の裏切りが発覚し、出雲が誘拐されるなど急展開となりました。
花澤 驚きましたね。志摩役の遊佐浩二さんも福山さんと同じく「楽しいのはここまでだ」的な雰囲気を現場で漂わせていて、ちょっと面白かったです。志摩くんの裏切りシーンに関してはどんなお芝居をされるのか楽しみで仕方なかったんですけど、本当に素敵なお芝居をされていて感動しました。
――もともと飄々としたキャラクターですから、余計に本音が読めなかったですよね。
花澤 そうですね。原作を読んだ時って、それぞれが頭の中で理想のニュアンスを想像しているじゃないですか。そこに声を付けるのってすごく大変なことだと思うんですけど、さすがですよね。どこからが本当でどこまでが嘘なのかのさじ加減が絶妙で、素晴らしかったですね。
――その後、島根に向かう機内では、しえみ特製の"草サンド"も振る舞われました。
花澤 みんなから「まずい」と言われて、私もちょっと気まずかったです(笑)。しえみちゃん的には、味はともかくお腹の足しになるのであればと思っただけで、100%純粋な好意のはず。ただ雑草の味ってたしかに独特だから、みんなが反射的に吐き出しちゃうのもわかる気がします。
――もしかして草を食べた経験があるんですか?
花澤 草ではなくて…カナブンなんですけど(笑)。中学時代、学校帰りの田舎道で口の中に突然カナブンが飛び込んできたことがあったんです。反射的にちょっと噛んでしまって、そしたら雑草の香りが口いっぱいに広がってきたんですよ。すごいショックで…。このシーンを読んだときは、思わずそのことを思い出しちゃいました。
――しえみは島根に着いてから、ちゃんと戦力として塾生メンバーたちとともに戦っていますね。
花澤 そこはやっぱり出雲ちゃんを助けたいっていう気持ちがとても強いんだと思います。出発前、駅の改札で朴朔子ちゃんからヒソヒソと何かを言われるじゃないですか。しえみちゃんはその言葉も背負っているので、余計に強い気持ちで挑んでいると思います。
――今後の展開としては、しえみと出雲の感動的なやり取りも待っていますね。
花澤 そうなんですよ。出雲ちゃんがしえみちゃんに感情をめちゃめちゃぶつけるシーンがあって、そこは本当に見どころだと思います。朴ちゃんからもらった言葉がなんなのかも含めて、ぜひ注目してほしいです。
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