今年の8月でデビュー50周年を迎えるレジェンドロックバンド、THE ALFEE。それを記念して、THE ALFEEのコンサート映像3作品が、CS衛星劇場にて3月3日(日)昼1時より、テレビ初放送される。放送作品には1987年にメンバーの母校、明治学院大学で行われた「MEIGAKU LIVE 3 NOVEMBER 1987」もあり、これはファンクラブ限定販売のDVD等でしか見られなかった貴重な映像となっている。本記事では、単独バンドによる国内最多コンサート回数を誇り、音楽シーンの第一線を走り続けてきた生きる伝説のTHE ALFEEについて振り返っていく。
1974年8月25日に、桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦、三宅康夫(1975年に脱退)の4人で“ALFIE”としてデビュー。1986年にグループ表記を変更し、THE ALFEEとなった。
ももいろクローバーZのファンを“モノノフ”、サカナクションのファンを“魚民”と呼ぶように、THE ALFEEのファンには“アル中”という呼称が付いている(※本コラム筆者も昭和生まれの“アル中”エディターである)。「アルフィーの沼にハマった中毒者」、「アルフィーに酔いしれる者」という意味のすてきなファンネームだ。
筆者が初めてTHE ALFEEを知ったのは、1983年、「メリーアン」のヒットのとき。当時の音楽シーン的にロックをろくに知らなかった小学生にとってTHE ALFEEのサウンドはとにかく鮮烈で、アーティストのコンサートに行ったのもTHE ALFEEが初めてだった。
みんなが知るヒット曲を持つアーティストであっても、THE ALFEEのように毎年ツアーを開催し、日本武道館やアリーナ公演を重ね、ここまでの長い期間、人気を維持し続けているトップアーティストは国内では一握りしかいないだろう。しかも彼らの場合、休止、解散という事態はデビュー以来、1度も起きていない。風体から分かるパーソナルはもちろん、音楽的なバックボーンも違う3人が衝突することなく、還暦を過ぎた今も、三者三様でありながら三位一体の姿を見せてくれている。まさに奇跡の3人だ。
そんな彼らの人気の土台にあるのは多様な音楽性。ハードロック、メタル、フォーク、ポップな要素まで幅広いジャンルを網羅し、力強くエネルギッシュな曲から感情を引き出すメロディアスなバラードまでが揃う楽曲群。3人ボーカルによる美しい三声は何より耳に突き刺さるところだ。また、往年のファンだけでなく、キャリアを重ねるごとに若いファンを掴んでいる理由も時代を超える楽曲の良さに違いない。
例えばTHE ALFEEを不動のトップアーティストに押し上げたヒット曲「星空のディスタンス」(1984)は、元欅坂46の平手友梨奈がオーディションで歌った曲としても知られている。40年前の曲ながらリズムにもメロディーにも、そして音にも古さを感じさせず、令和のニューシングルと言われても全く違和感がない名曲だ。平手自身は音楽番組で乃木坂46がTHE ALFEEとコラボしたときに歌っていたのを聴いて好きになったというが、14歳(当時)の女の子にも刺さり、オーディションでの披露曲にしたというのはその証明の1つだろう。
このように他アーティストのカバーからTHE ALFEEを知ったという人も多いのかもしれない。というのも、400曲を超えるTHE ALFEEの楽曲のほとんどを作詞作曲している高見沢は、アーティストやタレントへの楽曲提供も膨大にしている。
ももいろクローバーZ、上戸彩、高橋みなみなどへの提供の他、明石家さんまのヒット曲「真赤なウソ」、小泉今日子の超名曲「木枯らしに抱かれて」も高見沢の作詞作曲によるものだ。「堂本兄弟」で共演するKinKi Kidsにも「命のキセキ」という名曲を提供しており、この番組は高見沢のユニークな人間性、ゲスト出演する桜井、坂崎との仲睦まじい関係性が見えることでファンにとても人気だった。