真田広之が主演&プロデュースを務めるドラマ「SHOGUN 将軍」(毎週火曜昼2:00配信、全10話)が、2月27日にディズニープラスのスターで独占配信開始した。同作はハリウッドが日本のスタッフ・キャストとタッグを組み、壮大なスケールで日本の心、美学、歴史の奥深さを描いた戦国スペクタクル。陰謀と策略が渦巻く戦国の世を舞台に、徳川家康がモデルの主人公・吉井虎永を演じる真田の他、浅野忠信、西岡徳馬、二階堂ふみ、アンナ・サワイ、阿部進之介、平岳大ら日本の実力派俳優陣が集結。その中で、日本に漂着し、侍になった英国人航海士“按針/ジョン・ブラックソーン”役を務めるのがコズモ・ジャーヴィスだ。2月に都内で行われたジャパンプレミアのために初めて来日したジャーヴィスにインタビューを行い、この作品への出演の経緯や主演・プロデューサーの真田について、撮影時のエピソードなどを語ってもらった。
――「SHOGUN 将軍」に出演することになった経緯を教えてください。
オーディションに参加して、この役をもらいました。オーディションが何段階かあって、最初は台本の中の一部をもらい、それを自分で録画してキャスティングの人たちに送って審査してもらうというスタイルでした。
そういうのが何回かあった後、エピソード1の台本が送られてきて、その中のシーンを使ってのオーディションが行われました。その時にエピソード1を読んで、すごく面白い作品だと思ったんです。
――オーディションを経て、演じることになった“按針/ブラックソーン”はジャーヴィスさんから見てどういう人物ですか?
ネタバレせずに話すのは難しいのですが(笑)、彼が日本でしようとしていることの動機の後ろにあるものは誠実ではあるんですが、彼の動機自体はちょっと議論すべきものだったりします。でも、本当の自分を見せるまでに時間が掛かっていくというところがいいなと思いました。具体的にまだ話せないので分かりづらいかもしれませんが、物語が進んでいくにつれて変わっていく部分が多く見られると思いますので、終盤の方でどんなふうになっていくのか楽しみにしてもらえたらと思います。
――たくさんの日本人キャストがいる環境での演技はいかがでしたか?
全員が今回の物語で描いている“時代”や“文化”をすごく誇りに思っているのが伝わってきました。そういう人たちと一緒に芝居ができたことはとてもいい経験になりました。本当に細部にまでこだわっていたことがすごいと思いましたし、これまでになかった体験でした。
――主演でプロデューサーでもある真田さんの“日本の文化を正しく紹介したい”という思いが、そういう細部にまでこだわる姿勢に表れていたのかと思います。
確かにそういう感じでした。とにかく、“いい仕事をしたい”と心から思っている人たちと一緒にできたことは、自分にとって最高の環境でしたね。
――ちなみに航海士の役ですが、ジャーヴィスさん自身は船舶の経験は?
いや、ないですね(笑)。でも、父親が商業船に乗っていたことがあって、航海術についての知識があったので少し教わったりしました。
――“俳優”としての真田さん、“プロデューサー”としての真田さんの印象も教えてください。
プロデューサーとしては、この時代のことを正確に伝えよう、この物語を的確に表現しようという考えを持っていて、この作品についての心からの愛が感じられました。なので、あらゆるものへのこだわりを持っていましたし、関わっている人たちのベストなものを引き出してくれたりもしました。俳優としても、シーンごとにベストを尽くす方だなと感じました。
最初の頃のエピソードでは、ブラックソーンは日本語がしゃべれないので、虎永とほとんどコミュニケーションが取れなかったんですが、あえて撮影の外でも私たちは話をしませんでした。言葉を使わず、目だけのやりとりをするようなノンバーバル(非言語)コミュニケーションで。それは「そういうふうにしよう」と話し合ったわけではなくて、お互い役柄と同じように最初は距離感を感じつつ、徐々に距離感を詰めていくほうがいいと感じていたんだと思います。
――規格外のスケールで撮影されたということですが、セットやアクションなど、撮影時の印象的なエピソードは?
ものすごく職人気質がみなぎっているセットで、演じる側も没入感がありました。演じている間はその世界にハマり込んでいた感覚でしたね。そういうセットだったので、演技もすごく楽でした。例えば、城の内部もしっかり作り込まれていたので、中に入れば360度、どこを見てもお城なんです。ちゃんと“そこにいる”という感じで、これも今までに経験したことのないスケールのセットでした。
――ぐるりと見渡して、全部作り込まれていたら没入感もすごそうですね。
村の中を歩いて、右に曲がったり左に曲がったりしても、その村の中にいるんです。セットとは思えないくらいでした。
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