志田彩良、「消せない「私」」と「こんなところで裏切り飯」で見せる演技の振り幅 役者デビュー10年の節目にさらなる飛躍

2024/03/01 18:00 配信

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ドラマ「こんなところで裏切り飯」より(C)中京テレビ

1月から放送中の連続ドラマ「消せない「私」ー復讐の連鎖ー」(毎週金曜夜0:30-0:59、日本テレビほか)と、「こんなところで裏切り飯」(毎週木曜夜1:04-1:34、中京テレビほか)の2本で連ドラ初主演を飾っている俳優・志田彩良。今年で役者デビュー10年の節目にめざましい活躍を見せる彼女の役者としての魅力にフォーカスする。

デビュー10周年、志田彩良の2020年以降の活躍を振り返る

冬ドラマで2本の主演作を務める志田彩良


ファッション誌「ピチレモン」の専属モデルとして活躍中に短編映画「サルビア」のオーディションで見事主演を射止め、2014年に役者デビューを果たした志田。以降、数多くの映画やドラマに出演してきた彼女だが、ここ5年ほどで一気に注目を浴びている。

2020年には、キャンプを楽しむ女子高生5人の日常を描いた人気コミック「ゆるキャン△」の実写ドラマ(テレビ東京系)に出演。福原遥、大原優乃、田辺桃子、箭内夢菜ら今をときめく若手キャストが名を連ねたこのドラマは原作ファンから好評で、自由人ながら、さりげない気遣いができる斉藤恵那を演じた志田に対しても“ハマり役”との声が挙がった。

翌年放送された日曜劇場「ドラゴン桜 シーズン2 」(TBS系)では、真逆とも言える役に挑戦。志田が演じた小杉麻里は偏差値70の秀才で、主人公の桜木建二(阿部寛)率いる“東大専科”の生徒の中でも異彩を放っていた。「ゆるキャン△」での終始ほんわかとした雰囲気はどこへやら。何か心に重たいものを抱えているであろうミステリアスな雰囲気を醸した志田。父親への思いを吐露する場面では感情を爆発させ、視聴者の心を震わせた。

2022年に出演した「君の花になる」(TBS系)では、また印象をガラリと変え、劇中に登場する7人組ボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」のメンバーたちが通う銭湯の看板娘・池岡奈緒役に。メンバーの1人である佐神弾(高橋文哉)に思いを寄せており、ヒロイン・仲町あす花(本田翼)の恋のライバル的な立ち位置でありながら、カラッとした性格が気持ちの良いキャラクターを好演した。

その演技力の高さが広く世に知られるきっかけとなったのが、昨年末に放送された「大奥 Season2」(NHK総合)だ。男女逆転の大奥を描く同作で、志田は幕末を生きた女将軍・徳川家茂を演じた。公武合体政策のために朝廷から降嫁してきた和宮(岸井ゆきの)を気遣う姿は天女のよう。家茂の思いやりと優しさに満ちた普段の顔と、倒幕派との戦を回避するために心血をそそぐ聡明かつ勇ましい将軍としての顔を使い分ける志田の演技に誰もが魅了された。そんな志田が今期、2本の主演ドラマで俳優としてさらなるステップアップを遂げている。