3月7日(木)より開幕するAction Stage『エリオス ライジングヒーローズ』-THE WEST-にディノ・アルバーニ役で出演する安里勇哉。芸歴12年目で個人での俳優活動に加え、大衆演劇ユニット・TOKYO流星群の一員としても活躍する安里に、俳優人生のターニングポイントから将来のビジョンまで自身の胸の内を語ってもらった。
――まず、芸能界に入ったきっかけを教えてください。
高校卒業を機に地元の沖縄から上京して、4~5年くらいはいろいろなバイトをしながら生活していました。当時働いていたバイト先のオーナーの知り合いに、俳優イベントの運営をやっている会社の社長さんがいて、物販やチケットのもぎりをするバイトを探しているとのことだったので、僕も何回か単発で働いていたんです。
次第にイベントに来ているお客さんたちからお手紙をいただいたり、出待ちをされるようになったりして、それを見たイベント会社の社長さんが今の事務所の社長を僕に紹介してくれて、というのがきっかけです。
――もともと芸能界に興味はあったのでしょうか?
興味がないわけではないけど、絶対に入りたいと思っていたわけでもないという感じですね(笑)。ただ、歌うことは好きだったので、いろいろと面白そうなことができたらいいなという、それぐらいの軽い気持ちで最初は入りました。
――では、仕事に本気で向き合うようになったきっかけは?
事務所に入って1年ぐらいで、大衆演劇をテーマにしたパフォーマンスユニット・TOKYO流星群としても活動することになりました。そこで、大衆演劇をやられている劇団にメンバー全員で体験入団をしていたんですけど、その頃はまだ僕の意識が足りていなかったせいで遅刻をすることが多々あって。
そのときに社長から「事務所をやめるか、もう一度、別の劇団で修行するか選べ」と言われたんです。「じゃあ修行に行きます」と、見海堂劇団という劇団さんにお世話になることになったのですが、そこで総座長さんや他の劇団員の方々の生き様に感銘を受けました。
――具体的にどういう部分に?
お客さんにショーを観てもらって満足させることの大切さや、エンタメを届ける側の人間としてどうあるべきなのかという根本の部分を学ばせてもらいました。修行を通して、考え方や意識が本当にガラリと変わって、もっと真摯に演劇に向き合うようになって。そのおかげか、その後に受けたオーディションで舞台『黒子のバスケ』への出演が決まるなど、環境もどんどん変化していきました。だから、見海堂劇団さんと出会うことができたのは、俳優人生の中でのターニングポイントだったと感じています。
――修行をするか事務所をやめるかの2択を迫られたときに、やめない選択をした理由はあるのでしょうか?
たぶん僕は、そこで事務所を辞めていても人生を楽しんでいたと思います。いつだって今が一番楽しいと思うタイプの人間なので。今も役者を続けているのは、どんなに大変なことがあってもそれを凌駕する楽しさや、壁を乗り越える楽しさを感じられるからです。正直、その楽しさがなくなったら続けられるかどうかはわからないなと。
最初に2択を出されたときは、まだ僕が芸能という仕事をちゃんとやっていなくて、どんな楽しさがあるのかも知らない状態でした。だからやってみようと思ったし、もし修行に行って心が折れていたら、きっとそこで辞めていたと思います。だからこそ、見海堂劇団さんと出会えたことは本当に幸運だったなと感じています。
――俳優業の魅力や、やりがいを今はどういうところに感じていますか?
俳優は役によってさまざまな職業の人を演じられるし、悪人にも善人にも動物にもなれる。自分以外の人生を本気で生きることができるから、そこがやっぱり楽しいですし、役者の特権だと思っています。舞台だとお客さんが楽しんでいる姿、笑い声、拍手も直接、見て聞くことができて、その瞬間はその場にいる僕たちだけのものだなと感じるんです。スタッフさんやキャストとみんなで同じものを作って千秋楽に向かって走っていくという関係性も好きだし、すべて楽しいし楽しみたいと思っていますね。
――現在、俳優活動と並行してユニットでの公演も月1ペースでやられているとのことですが、忙しい日々の中で活動のモチベーションになっていることはなんでしょう?
俳優活動については先ほどお話したように、楽しさがすべてなんですけど、舞台が2作品重なって、そこにTOKYO流星群としての公演も加わるようなハードなスケジュールになるときもあります。でも、お世話になった見海堂劇団さんは毎日公演をしていますし、泣き言は言っていられないなと思うんですよね。
毎公演、楽しみにしてくれているお客さんがいますし、役者としての公演とユニットとしてのショーはまったく別物。ショーのときは素の自分を見せることができるし、メンバー4人で構成を考えているのでやりたいこともできる。そういう時間をお客さんたちと一緒に楽しめるというのがユニット活動での面白さだし、原動力だと感じています。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)