コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、パパ活を通して“人間の醜さ”を描いた漫画『女子大生がパパ活して痛い目みる話』をピックアップ。
作者である漫画家の夏子久さんが、2023月12月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、1.2万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では夏子久さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
本作は「サイコミ」で連載中の漫画『私がわたしを売る理由』の第4話にあたるエピソード。女子大生の松本椿は、“週9”でバイトに励む苦学生。“毒親”の家庭環境で育った椿は学費を自分で稼いでおり、おしゃれをする余裕もないまま勉強の合間にバイトをするなどして忙しい日々を送っていた。
しかし、コロナ禍の影響でバイトのシフトが突如なくなってしまう事態が発生。“すぐ他のバイト探さなきゃ!!”と焦っていたところ、椿はネット上で「お茶するだけで5千円から1万円」という“パパ活”の存在を知る――。
「ちょっとくらい遊びに行けるようになるのかな…?」と興味本位でパパ活を始めた椿だったが、ある日初めて会った中年男性からいきなり“旅行”に誘われてしまう。予想外の提案に動揺した椿は「お食事とか行けたら…」とやんわり断ると、その男性は態度が豹変し、突然冷めた様子で「帰ります」と席を立った。
お金に困っていた椿はとっさに呼び止めて「お手当…は…」と尋ねるのだが、その言葉をきっかけに、そこから中年男性の猛攻撃が始まる。男性は椿に対して「さすがに図々しすぎるんじゃない?」「君にそこまでの価値があるって本当に思ってる?」「せめて化粧くらいしてくるのが常識でしょ。隣歩くのが恥ずかしかったよ」などの言葉を浴びせ、恥ずかしさと怖さでいたたまれなくなった椿は、思わずその場から走って逃げ出すのだった――。
女子大生が“パパ活”で恐怖を味わう本作。ネット上では、「思い通りにならないとキレ出すおじさんやばすぎ…」「この子は悪くない」など擁護派の意見や、「うーん…社会勉強と思うしかないね」「パパ活でお金稼ぐのは、そういう危なさもあるから良くないと思う」「ある意味自業自得でしょ」などの厳しい声もあがっていた。
――『女子大生がパパ活して痛い目みる話』(『私がわたしを売る理由』)を創作したきっかけや理由があればお教えください。
パパ活という活動には人間の欲が詰め込まれていると感じます。例えば金銭欲・性欲・承認欲求などです。これらは持っていて当然の欲ですが醜く変容しがちで、パパ活ではそれが大暴れしています。そういった様子を漫画にしたら面白いと思いました。
――本エピソードでは、誘いを断られた中年男性が急に態度を変えて辛辣な言葉を浴びせる姿が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
人間の美しいところだけでなく、醜いところもしっかり描くのがこだわりです。(サブキャラだけでなく主要人物も同様に)人間というのはそういうものだと思うので。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
パパ活の漫画を描く以上、簡単に大金が手に入るわけではなく、危ないこともたくさんあるってことは伝えなきゃいけないと思いました。『女子大生がパパ活して痛い目みる話』はその序章でしかないので、よかったら続きを読んでください!
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
普段自分が考えていることを漫画にしています。
――普段作画を行う際に、こだわっていることや、特に意識していることはありますか?
「人物の表情」と「読者さんが読みやすい画面になっているか」は特に気にして描いています。
――今後の展望や目標をお教えください。
漫画をもっと面白くすることです!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
連載を続けられるのは皆さんが作品を読んでくれているおかげです。ありがとうございます。今後も楽しんでいただけるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
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