――そんな視聴者を魅了する動画はどのように作られているのですか?
白鳥:基本的には社内販促TikTokチームで企画・制作から投稿までを行っています。機材は基本iPadで作業をすることが多いですが、最初の頃はスマホ1台で制作をしていました。
――スマホ1台で?
白鳥:はい。TikTokは、 簡単に動画編集ができるようなツールが揃っているんですよね。宣伝っぽくならないよう、むしろ視聴者世代のユーザーの一人のような感覚で投稿するようにしています。洗練されすぎた編集になっていたり、言葉一つとっても宣伝味が出すぎたりしているものはリテイクをかけています。リラックスしながらも見ていただける…みたいな動画を目指していますね。
――「サンリオ商品企画部」の投稿は、編集も魅力的ですが、企画の内容もバリエーション豊かで見たくなるものばかりです。
白鳥:先ほど反響動画でお話させていただきました「なぁぜなぁぜ」の投稿もそうですが、トレンドを踏まえた直接的な商品紹介以外の企画も積極的に行っています。元々は商品のPRのために始まったアカウントではありますが、「この商品にはどんな想いが込められているのだろう?」とか「どういう背景でこの商品が生まれたのだろう?」といった裏側も、お客様としては気になるところなのかなと。そこをオープンにすることで、商品に対する思い入れがさらに深くなって、もっと商品を愛していただけるといいなと考えています。
――確かに、普段は明かされない制作現場等の裏側を見られるという点も、このアカウントならではですよね!
白鳥:そうだと思います。投稿内、「推し活グッズの開発秘話」という動画があるのですが、実は元々別のSNS で「サンリオ社員の中に“オタク”がいるんじゃないか?」と噂されていたことを拾い上げて企画にしたものなんです。投稿後は、「やっぱりいたんだ!」とコメント欄やSNSなどでも反応がありましたね。
――「推し活グッズの開発秘話」に関連して、投稿でも推し活グッズの紹介が多く見受けられます。動画内でも語られていましたが、改めてサンリオが推し活グッズ(エンジョイアイドルシリーズ)に切り込んだきっかけを教えてください。
山口あすか(以下、山口):商品開発の担当者がオタクだった、というところから出発していますね。その方が、元々手帳やカレンダーを作っているようなチームにいまして、「フラゲ日」や「神席」など、ごく一部の界隈の方にしかわからないワードを盛り込んだ手帳シールを発売したんです。そしたら、それが思いのほか売れまして。担当の「サンリオの“かわいい”キャラクター、そして、大好きで“かわいい”推し。かわいい×かわいい=“もっとかわいい”に決まっている!」という強い想いで、より推しがかわいくみえるものってなんだろう、あったら嬉しいグッズってなんだろう、と作り始めてSNSで話題になって広がっていったという状況です。
――オタク社員のサンリオ愛と、推し愛で生まれた商品だったんですね。
山口:そうですね。当時市場にあった推し活グッズはシンプルなデザイン、かつ商品も限られていたこともあって、サンリオキャラクターのかわいいデザインや「トレーディングカードを持ち歩けるケース」など新たな商品の発売に、購入者の方からは「サンリオわかりみが深い」と言っていただける機会が多くなりました。
――本来推されるべきキャラクターが、推しのためのグッズに…という部分も面白いですよね。
山口:まさにおっしゃっていただいた通り、元々キャラクターたちは推されるべき対象ではあるんです。ただ、推し活グッズとして、常に推しと一緒にいて見慣れることで、そのキャラクターにも愛着を持ってもらえたらいいなと考えています。
――最後に、「サンリオ商品企画部」としての今後の展望を教えてください。
白鳥:TikTokのコメントは、ほぼすべて目を通していますので、寄せられたコメントを拾って、また何かそこから企画を生み出したり…と視聴者とのコミュニケーションをこれまで以上に取っていけたらいいなと思っております。また、商品を紹介 するだけじゃなく、ひとつのコンテンツ としても楽しんでもらえるような企画をたくさん行っていきたいですね。あとは、「なぁぜなぁぜ」じゃないですけど、「サンリオ商品企画部」発で、何か流行語やバズ商品を生み出せたらいいなと!(笑)
――いいですね! とっても楽しみです。
白鳥:そして、今後も動画などを通して、ひとりの方の1日の中に、サンリオと触れ合う時間が少しでも増えたら嬉しいなと思います。
――本日はありがとうございました!
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