恋人の宿命を引き受けて20年、日下は夢をかなえることもできず、孤独に生きるしかなかった。その話を聞いて、「やっぱりないんですね、奇跡の先に希望なんて」とつぶやく雨。
雨と太陽の未来に、また別の明るい奇跡が起きてくれることを願う視聴者にとっても、日下の過去は衝撃的だった。太陽は雨を支えるつもりでいるが、雨は太陽の幸せを願って離れようとしている。その幸せな未来を遠くからでも見たいという希望を持って。
雨が願う太陽の幸せな未来に、自分がいないことが悔しくないのかと日下が問うと、「めちゃめちゃ悔しい」と本音を明かしつつ、「それでも好きな人の幸せな未来なら」と雨。その希望をかなえることが雨にとっての「生きる」ことになるのだとほほ笑み、そして「奇跡なんかに、絶対負けない」と思いを新たにしたのだ。
ラストでは、日下が長崎にある美術館へ。そこには画家になったかつての恋人の絵が展示されていた。長崎の旅をテーマにした絵が続いた最後にあったのは、1本の木の前で手をつないだ男女の後ろ姿。それは、日下が「人生で最も幸せだった」と振り返った回想シーンを思わせるものだった。そして、彼女にとって遺作であるその絵のタイトルは「ごめんなさい」。
雨が語った「好きな人の未来」を見てみたくなった日下。苦しい日々がこの絵につながっていた、そう思うと「ほんの少しだけ報われた気がします」と千秋に明かした。そして「私の人生は、今日この瞬間のためにあったのかもしれない」と結んだその表情は、ほんの少し口角を上げた明るいもののようだった。
雨と同じように奇跡の代償を受けた日下がたどり着いた思い。雨と太陽の奇跡はどんな顛末(てんまつ)を迎えるのか、ますます気になる展開となった。「奇跡に負けない」という雨の思いは、新たな奇跡を呼び起こすのか注目だ。
SNSには「斎藤工さんがあの絵を目にして表情が変わった瞬間に涙溢れてきたーーー」「彼女の未来に、ちゃんと日下さんはいたね」「切なかったけど、少し救われた」「日下さんが報われた瞬間が1番泣けました」といった感想が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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