コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、佐倉イサミさんの漫画「お茶の間スイーツガーデン」を紹介する。
今年の1月6日、作者である佐倉イサミさんがX(旧Twitter)に第1話を投稿したところ、3.4万件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では佐倉イサミさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
瀧口サトは一人暮らしをしている老女。町内に長年住み続けているが、偏屈な性格から近所の住人とは打ち解けられないでいた。一方、矢北宗介はイケメンで礼儀正しい中学生で、町内の女性陣からも一目置かれている。しかし実際の宗助は日々の生活にストレスを感じており、町内では笑顔の仮面をかぶっていたのだった。
サトが偏屈になってしまったのには理由がある。幼少期には父親から手を上げられ、結婚後は夫から家事をするだけの存在としか見られず、ずっと我慢を強いられてきたのだ。両親と夫が亡くなって自由の身になったとき、サトは70歳を超えていた。ある日夫の遺品を整理していたサトは、昔作ったスクラップブックを見つける。そこには、当時自分が憧れていたファッションやインテリア・スイーツなどの切り抜きが貼られていた。懐かしさに浸るも、70歳を超えたサトにとっては今さら夢見ても仕方のないものばかりだった。
絶望を感じて号泣するサトだったが、ふと”プリンのレシピが書かれた切り抜き”が目に留まる。サトは店にスイーツを食べに行くのは気が引けるが、自分で作るなら1人で楽しめると気付いてレシピ通りに作ってみた。自分好みに可愛くデコレーションされたプリンを食べて、「やっと夢が叶った」と涙を流すサト。するとそこへ、可愛らしい服を来た少女が入り込んで来た。実はその少女は、イケメン優等生の宗助だったのだ…。
本作を投稿したX(旧Twitter)には「なんて可愛いお話」「癒される!!」「とても好きな設定で二人の仲にキュンキュン」「似た者同士だね」「はい面白い漫画みーつけた」などのコメントが寄せられている。
――「お茶の間スイーツガーデン」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
個人のSNSで発信している「姫ばあちゃんとナイト」という小さなおばあちゃんと大きな犬の4コマ漫画のなかでおばあちゃんと若者の交流をたくさん描いていたので、別の角度からも『年の差の友情』を表現してみたい!と思い出来上がったのが「お茶の間スイーツガーデン」になります。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
『映えスイーツ』が題材なのでふわふわ、可愛らしい内容に思われがちですが年齢それぞれの悩みや不安の棘をダイレクトに表現しているので、スイーツの甘さと人生の辛さを両方味わっていただければと思います(笑)。
――「お茶の間スイーツガーデン」第1話の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
サトさんの「捻くれた性格になりたかったわけじゃない 孤独になんてなりたくなかった」というセリフは、過去の自分への後悔と未来を変えたい決意が詰まっていて、とても物語の第1話らしくて気に入っています。
――作品に登場したプリンとクリームソーダのレシピは、「実際に作ってみたい」と感じられるものでした。サトが食べるシーンだけでなく、レシピも描いた理由があればお教えください。
カフェなどで憧れの映えスイーツを食べる(買う)ことに、それぞれの理由でためらいがあるふたりが手作りでそれを楽しむ…という物語なので、レシピがあったほうが、より物語の説得力が増すかな、という理由です。
――今後の展望や目標をお教えください。
物語に出てくるサトさん、宗介それぞれの悩みや壁をスイーツと友情で癒やしていく過程をしっかり描いていきたいです。あと、個人的には試作スイーツで太らない体づくりを頑張ります(笑)。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
第1話を、そして本作を読んでくださりありがとうございます。昔の自分、今の自分、未来の自分それぞれに、どこか共感を持ちながらサトさんと宗介の人生と甘いスイーツを楽しんでいただけたら嬉しいです!
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