――第9話のラストで、俊平と響が5年前の出来事を乗り越えて打ち解けたシーンが印象的でした。
あのシーンは2人の山場のシーンだったので、とても緊張感がありました。俊平と響はギクシャクしながらも結構楽しいシーンも多くて。けんかをしているシーンも楽しんでやっていた部分がありましたが、あの日は特別でしたね。スタッフも全部の撮影が終わった後に、「朝からものすごく緊張していた」と言っていました。僕自身は、ドキドキするというより、妙に静かな気持ちになりましたね。
――芦田さんとのシーンが多かったと思いますが、雰囲気はいかがでしたか?
皆さんのイメージと違って、意外と芦田さんってポンコツな人なんですよ(笑)。しょっちゅう物にぶつかったり、転けたりしていて。リハーサルで転んだシーンがそのまま採用になって放送されたりもしていましたし。
俊平もポンコツな部分が多いので、台本上はポンコツの父親としっかり者の娘という描かれ方だったのが、どんどんただの似たもの親子がけんかしているようになっていて(笑)、それは現場で起こるケミストリーというか。人が演じるってこういうことなんだと思って、とても面白かったです。
――これまで俊平を演じてきた中で、印象的だったシーンはどこですか?
オーケストラのシーンはやっぱり毎回楽しく、みんな本当に喜びをもって盛り上がって演奏をしていたのでどの回も印象に残っています。あとはやっぱり第6話、第7話くらいから、だんだんみんなの感情が高まるシーンが増えていって。毎回最後までドラマが盛り上がるような感情のイベントがある感じで、それはやっぱり大変でした。
本作は役者さんが本当に皆さん素晴らしいので、「え、そんな感じなの?」と驚くくらい、撮影では皆さんの感情がこちらにうわっと向かってくるんですよ。だからそれを毎回受けて演技をしていくというのが、素晴らしい体験でした。
――これまで一緒に頑張ってきたキャスト、スタッフに伝えたいことはありますか?
画もいい、音もいい、ロケーションもいい、美術も素晴らしいこのドラマに関われたことを本当に誇りに思っているので、それを用意してくださったプロデューサーの方々、それから監督たちはじめスタッフの皆さんには、「本当にありがとうございました」と伝えたいです。
そして、僕に指揮をご指導くださった東京音楽大学の先生方にも。先生方の愛情深いご指導のおかげで、どの演奏も毎回楽しく、正直大変でしたが、「もっとやりたい、もっと作りたい!」という気持ちになれました。
実は毎回、このドラマを見た友達から連絡が来ていて、「うちの娘が感動して泣いていた」というのも聞きまして、世代を超えて、音楽という枠を越えて、“自分の好きなもので戦っている人たちの物語”として、本当にたくさんの人たちに届いたんだなと実感しています。
共演者の皆さんも、最高の俳優たちが集まったと思っています。台本で読んでいるよりも本気の芝居が毎回くるので、どのシーンも本当に感動的で、全員素晴らしかった。またご一緒できるように精進して、もっともっと頑張って、いい俳優になろうと思います。
――「さよならマエストロ」というタイトルのとおり、最終回は俊平がどんな未来を選ぶのかが大きな見どころかと思います。改めて、視聴者へメッセージをお願いします。
タイトルが最終回に関わってくるのかというところですが、それは僕が今言ってしまうとあれなので…もしかしたら全然関係ないかもしれないですしね(笑)。
とにかくたくさんの皆さんに応援していただいたおかげで、本当にすてきなドラマになりました。現場でもスタッフ・キャスト全員がいいドラマにしたいと思いながら、そのことをすごく楽しんで作品を作ることができて。
最終回、今まで楽しんでくださった方にも納得していただける、本当に素晴らしい回になっていると思いますので、ぜひ最後まで楽しんで見てください。
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