謎解きのツボをきっちり押さえた迷いのない構成から、原作に対する敬意と信頼がひしひしと伝わってくる。映像版の推しポイントは、天才建築家・中村青司の存在感がアップしていること――。結末を知っているはずなのにクライマックスでは思わず息を呑み、しばらく画面から目が離せなかった。初見だったら完全に石化していたかもしれない。
「不可能」なのに実写化され消える作品は多い。またなのか?という考えが頭を過る。しかし――僕の答えはNOだ。原作を7回通読した僕が言うのだから間違いはない。推理小説(ミステリ)マニアを自称する諸賢なればこそ、気づけるはずだ――この映像作品が、原作の凄さを、いかに映像として体感してもらうためだけに作られたのか、ということに。
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