――そんな今回が初主演作である奥さんは、改めて役者として学んだことはありましたか?
奥:監督からお芝居の基本を改めて学ばせていただきました。お芝居自体は今までもやってきてはいたのですが、これまで何となくやってきたところを、監督に噛み砕いて丁寧に教えていただきました。たとえば、相手のお芝居を受けて、それに素直に反応して演じるだとか。そういうところを言語化して教えていただいたのは、監督が初めてだったので、より深く理解できました。今まで納得いっていなかったところが、すっきり晴れたような感覚です。
島田さんがちょっとちょけてきたら、それに対して江南はもっと強く返してみるパターンがあっても面白いのかなとか、いろんなことを考えながら臨めたので、お芝居の楽しさにも気付かせてもらえました。今回の「十角館の殺人」で、初めてちゃんとお芝居できたなという感覚が自分の中にあります。
――奥さんは、オフィシャルコメントで「島田役の青木崇高さんからはお芝居だけでなく、人としての在り方についても教えていただき…」と言っていましたが、 青木さんからはどんなことを学びましたか?
青木:怖い怖い怖い…(笑)
奥:いやいやいや(笑)。「一人旅がいいよ」というお話をしていただいて、「一人旅は自分一人だから、その瞬間そのときの判断を自分だけでしなくちゃいけない。だから、判断力や受け取る力が養われるよ」とか。あとは、「その旅で経験したことを糧にしたり、そのとき自分が感じた体験を大事にしたり、そういうことを積み重ねていくと世界が広がるよ」みたいなことを教えていただきました。
――ということは、青木さんは結構一人旅をしているのですね。
青木:はい、よくしていました。国内だったらスケジュールの合間で行けますが、海外は今は仕事で、なかなか時間が取れなくなっちゃって…。でも、一週間前くらいに、ブラジルに行ってましたね。
――ブラジル!? 地球における日本の裏側ですよね。すごいですね。
青木:我ながらいいことを言ったなと思うのは、一人旅に行くのは本当に判断力が鍛えられるんですよ。人間の考えられるキャパシティの中で優先順位が自ずと出てくるので、その選択をずっと繰り返していくと、本当に瞬間の判断力が上がっていきますし、自分に必要なもの、必要じゃないものということも、すぐに感覚的に取捨選択ができるようになるんです。だから、情報処理という観点においても一人旅はいいと思います。
――では最後に、今回、映像化不可能と言われていたことを実写化した作品ということで、お二人が「不可能かもしれないけどいつか実現したいこと」を教えてください。
青木:すごいのを先に放り込んでいいんだったら言っちゃうけど…。
奥:ど、どうぞ!
青木:究極的には、僕は世界平和ですね。不可能とは思いたくないけど。カッコつけたように思われるかもしれないですが、エンタメとかそういった力で、人の心に安らぎを与えたり、この世の中を少しでも丸くしたりして、平和に近付けられたらなと。
奥:そんなこと言われたら…。僕、超くだらないことを言おうとしていました…。
青木:いいのよ、言いなよ。
奥:…あれ? 僕、何て言おうとしたんだっけな…。
青木:僕“も”でもいいんだよ(笑)
奥:そうですね、僕もそれは思いますが…。最初にパッと頭に浮かんだのは、空を飛びたいでした。
青木:(笑)
奥:…あ、そうだ! 朝を強くしたいですね。
青木:え、でもロケで朝早いときとかさ、全然遅れることなかったじゃない?
奥:お仕事では起きられるのですが…プライベートだとダメで。遅いとお昼過ぎに起きてしまうこともあるんですよ。やっぱり朝早く起きることによって、絶対にその日一日が革命的に変わると僕は思っていて。とんでもなく素晴らしい日になるのを何回か経験もしているので、とにかく休みの日でも朝早く起きたいですね。
青木:気持ちいいもんね。
奥:そうなんですよね!
――お互いのコメントに対してフォローし合っていて、やはりバディ感ありますね。
奥:ありがとうございます(笑)
青木:だてに江南と島田やってませんからね(笑)
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