コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、MAGCOMIで連載中の作品「クライムゲーム〜法律の無い世界〜」(オクショウさん原作/恵那さん漫画)。
この作品は「世界から法律が無くなったら人々はどうなるのか?」として、2024年3月17日にX(旧Twitter)にて投稿されると、瞬く間に3万以上のいいねを集めて話題になった。このポストには「すばらしい」「法の大切さを教えてくれる」「待ってましたぁぁ!」といったコメントが殺到。この記事では作者のオクショウさん・恵那さんに、作品のこだわりなどについてインタビューを行った。
高校2年生の焔は、生きにくい世の中に辟易し、そのストレスをゲームで発散する日々を送っていた。
そんなある日、トラックに轢かれ…。
死を覚悟した焔だったが、そこにはどんな罪を犯しても裁かれない世界が広がっていた。
誰しも心の底に犯罪を犯したいという願望を持っていると語るゲームマスターから、デスゲームに参加しなければゲームの進行妨害となり死刑だと告げられる。
はじめは犯罪に手を染めることに抵抗を感じる焔であったが、生き残るためには罪を犯さなければならない。生き残れるのは上位半分のみ。生きたい。まだ死にたくない。
ついに覚悟を決め、人を殺めた焔。堰を切ったように歯止めが効かなくなり…殺人、わいせつに強盗…なんでもありの命をかけた犯罪デスゲームが幕を開ける。
ーー『クライムゲーム〜法律の無い世界〜』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
オクショウ:元々この作品は10年ほど前に考えていたもので、当時学生で好きな子に振られて「チクショウ誰だよ他に好きな男ってええええ、もう終わりだこの世を破滅させてやるううううあ!!!!」と絶望していた時に実際そんな風に暴れ散らかせる世界があったら面白そうだと思いつきました…笑
そこから中々形にできない中で、担当さんからお声がけ頂き、色々求められている題材とマッチし、10年前だとあまり世に響きそうになかったけれど今の時代だからこそ形になりそうだと創作に至りました。
恵那:「デスゲームものをやりましょう!」とデスゲームを語らせると熱い担当さんに声をかけていただき、スタートしました。私もデスゲームが好きなので、このジャンルに定評があり、個人的にも楽しく読んでいた、オクショウさんが原作を引き受けてくださった時は喜びましたね!
ーー今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
オクショウ:一話の誰の中にも隠しているフラストレーションがあって、それがこの世界で解放される所でしょうか。多分誰しも抱えているストレスや、法律が無かったらあんな奴ぶっ飛ばしたいとか色々抱えているものがあると思います。でもそれを現実でやるとアレなのでこの漫画の世界で少しでもその気を晴らしてもらえたら嬉しいです。そして注目してほしいポイントとしては恵那先生の美麗な絵です。一話からこの難しい世界を趣向を凝らした構図やデザインで表現してくださっていますが、2話以降も新ヒロイン?のぴえちゃんなど色んな個性的なデザインのキャラクターなどが沢山登場するので楽しみにしてもらえればです!
恵那:「もし自分だったらどうする?」と考えながら読むと、より一層楽しめると思います。この漫画は犯罪がテーマだけど、登場するのは犯罪者ではなく、ごく普通の人々。犯罪する勇気はなくても、誰でも少しは考えるような、イケナイ欲望を次々発散していきます。モブキャラ一人一人にもその背景を妄想しながら描いてますので、貴方の欲望を叶えてくれる、共感できるキャラがどこかにいるかもしれません。
ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
オクショウ:やはり一話の例のトラックで渋谷を暴走するシーンでしょうか。絶対に現実でそんな事やったり思ったりしたらやばいですが、漫画だからこそ実現できるトンデモなシチュエーションだなぁ…と、笑
恵那:パリラトラックの「高!収!入!」、「転売ヤーは死ネ」は間違いなく名シーンかと!マニアックなところだと、「万引きゲーム」でぴえが焔にお礼を要求して無視された後、ラストでまた無視されると思いきや、不意打ちで頭を撫でられるシーンがお気に入りです。焔とぴえの距離が少し近づいた瞬間…。他には単行本描きおろし用に、連載版には載せられないエッチなシーンを大量に描きましたので、是非単行本版もチェックしていただきたいですね。
ーー本作は3万件以上のいいねを獲得しています。多くの反響を呼んだことについて率直な感想をお教えください。
オクショウ:とても嬉しいです!正直今まであまり見られていなくて、下手したら2巻が出た時点で打ち切りの危機だったのですが、ここに来て沢山の方に見てもらえたおかげで作品の継続も無事決まり本当に感謝しかないです。
恵那:お陰様で単行本2巻の初速にも良い影響があり、感謝でいっぱいです。1巻発売当時はまだ、読んでもらう以前に、なかなか作品を知ってもらえず苦労しましたので…。
ーーご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
オクショウ:このクライムゲームと、並行して最近新連載も始まったので(夜サンデー連載:アンビバレント~童貞を捨てたら死ぬ世界~)二つとも沢山の方に読んでもらえる様、全力で頑張ります!
恵那:やはりメディア化は一つの夢ですね。アニメでも実写でも。また、この作品は犯罪をするデスゲームとはいえ、読むとわかるように罰を受ける内容になっています。そういう意味で、いずれは防犯や犯罪被害者の力になれる作品にしたいな…と、売上の寄付から始めています。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
オクショウ:いつも応援本当にありがとうございます!!この先ももっとこの漫画ならではのゲームやとんでもない展開など色々準備して全力で面白くしてゆきますので引き続きよろしくお願いします!!!!
恵那:今後も面白いゲームを描いていきますので、連載版でも単行本版でも楽しみにしていてください!
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