ニューヨーク市警察性犯罪特捜班のメンバーが、レイプや虐待などの性犯罪に心を痛めながら、病める現代社会の様々な問題に立ち向かっていく姿を描いた海外ドラマ「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」(Huluにてシーズン1~23まで配信中)。1990年にスタートした大ヒットドラマ「LAW & ORDER」のスピンオフとして生まれ、“全米プライムタイム最長寿ドラマ”としても知られている。本記事では、「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」の見どころなどを紹介していく。
エミー賞をはじめ、数々のドラマ賞を受賞してきた本作は、1999年9月にアメリカで放送が始まって以来、20年以上にわたり多くのファンから愛され続けている大ヒットシリーズ。本家「LAW & ORDER」のスタイルを踏襲し、実際の事件をもとに細部を変更してフィクション化した内容となっている。
ヒットメーカーとして名高いディック・ウルフ氏が、1986年に起きた「プレッピー殺人事件」に触発されて手掛けた「LAW & ORDER」シーズン1の第5話「死に至るキス」は、本シリーズの起源となっており、これをきっかけにディック氏は“性犯罪の心理をより深く追求し、人間にとってのセクシュアリティの役割を検証したい”と考えるようになったという。
当初は、犯罪における性的な性質を反映した内容の作品として、番組タイトルに「Sex Crimes(=性犯罪)」という名がつけられた。どうやら当時のプロデューサーたちは、“本作が失敗すると「LAW & ORDER」ブランドを傷つけてしまうのではないか”と恐れ、本家シリーズに頼らない形で新シリーズを作りたいと考えていたようだ。
しかし、商業性を考えてタイトルに「LAW & ORDER」を使うことが重要だというディック氏の説得により、最終的に「LAW & ORDER: Special Victims Unit(性犯罪特捜班)」というタイトルに決定したという。
こうしてスタートしたシーズン1は、視聴率8.8%、平均視聴者数1218万人を記録し、1999年~2000年に“アメリカで最も高視聴率を獲得したテレビ番組ランキング”で30位にランクイン。以降も安定した高視聴率を記録し続けた。
本作で中心的な存在を担うのは、ニューヨーク市警察性犯罪特捜班で活躍するエリオット・ステイブラー刑事(クリストファー・メローニ)とオリビア・ベンソン刑事(マリスカ・ハージティ)の2人。ステイブラーは何よりも家族を大切にしており、児童虐待など、子供が被害者となる事件の犯人へ強い嫌悪感や憎しみを覚えることが多い正義感の強い人物だ。
一方ベンソンは、自分自身が性暴力の末に生まれた存在であることから、性犯罪の被害者に深く共感するあまり、被害者側に寄り添いすぎてしまうことがある。かつては母親から精神的にも肉体的にも虐待を受けていたことがあるが、現在は良好な関係を築いている。ステイブラーはベンソンにとってパートナーであり、良き理解者でもある。
ほかにも、性犯罪特捜班では個性的なメンバーが活躍する。ボルチモア警察の殺人課から異動してきたジョン・マンチ刑事(リチャード・ベルザー)は、辛辣でウィットの効いた切り返しやジョークで場を盛り上げ、現場で培ってきた豊富な経験と、鍛え抜かれた能力で捜査に貢献する人物。子供の頃に、双極性障害だった父親から身体的虐待を受けていた過去をもつ。
ストリートに精通したタフな女性刑事モニーク・ジェフリーズ(ミシェル・ハード)は、ジョン・マンチ刑事のパートナーで、その明晰な頭脳で皮肉屋の彼に負けないような冴えた返しが瞬時にできる。また、ニューヨーク市警の殺人課の警部を経て同市警の性犯罪特捜班の警部となったドナルド・クレイゲン(ダン・フロレク)は、部下を常に支えようとする姿勢から信頼が厚い理想の上司だが、アルコール依存症だった経歴をもつ。
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