連続テレビ小説「あさが来た」(2015~2016年、NHK総合ほか)の大森美香が脚本を務める、竹野内豊主演のドラマ「この声をきみに」が、9月8日(金)夜10時からNHK総合でスタートする。
同作は朗読教室を舞台に、“変わりたい”と願う大人たちの葛藤や成長を描くヒューマンドラマ。竹野内は家族に捨てられるも、その理由にまるで気付けない偏屈な数学者・孝を演じる。孝は麻生久美子演じる朗読教室の講師・京子と出会うことで、朗読を通して自分に欠けていたものに気付いていく。
そこでザテレビジョンでは、物語のキーパーソンを務める麻生にインタビューを実施。役作りや舞台裏、朗読の魅力などについて聞いてみた。
――美声キャストがそろった作品となりました。
現場でいつも、皆さんの朗読に聞きほれています。私は先生役ですが、私よりも先生を演じてほしい方ばかりで。
――出演オファーが来た際、声について何か言われたりしましたか?
聞いた話ですが、脚本の大森さんが「麻生さんの声がいい」と言ってくださったそうです。「え、私でいいの?」と思ったんですけど、物語を作る人がそう言ってくださるのなら、いいのか、と思って、すごくうれしかったです。
――麻生さんは演技だけでなく声が好きというファンも多いと思いますが、ご自身では、自分の声をどう思われていますか?
うーん…あまり好きではないんですけど、たまに心地の良い声が出ます(笑)。逆を言うと、そうでもないときがあるっていう。その声は聞きたくないですね。
――では、ドラマの中では心地良い声が出るようにされて。
少しいい声を出したいなっていう意識は、ほんの少しだけ持ってます。声のお話なので。
――声優にナレーションと、これまでに声のお仕事もたくさんされていますよね。そういった経験は、今作に生きていますか?
生きていると思います。朗読も何度かさせていただいたことがあって。一度、プラネタリウムの「夜はやさしい」という上映作品で、谷川俊太郎さんの詩を朗読させていただいたことがあったんです。
そのとき、一回目は普通に“朗読っぽく”読んだら、「うーん、ちょっと違うね」って言われて。きっとどこかで、「上手く読もう」みたいな意識が働いたのかも知れないですね。
そうしたら、谷川さんがブースの中に入ってきてくださって、私の目の前に来て、「僕に話しかけるように読んでみてください」って言うんですね。で、言われた通り、谷川さんに伝えようと思って読んだら一回でOKが出たんです。
そのときは何が違うのか、そこまで分からなかったんです。「うーん…まぁいっか、OKもらったし」と思ってて。でも今回のドラマで、「あぁ、谷川さんに向けて読もうと思った、それが良かったんだな」っていうのが、分かりました。気付くのが遅いですよね(笑)。
やっぱり朗読って、相手に伝えるように読むじゃないですか。どうしたら伝わるのかなみたいなことを、考えないといけない。“聞いてくれる誰かのために読む”っていう大切さを、今回学んでますね。段々と、ですけど(笑)。
――麻生さんは朗読の先生の役なので、そういったことを教える立場になるわけですよね。
そうです、全て知ってる“風”にやります(笑)。
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