コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、江久井さんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「女装メイドカフェでバイトをしていたら父親が来店した話」だ。3月27日時点で3.9万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者の江久井さんに制作の背景を伺った。
主人公の一悟は、父親に素直になれない思春期の男の子。
ある日、父親にアルバイトをしたいと話すが「ダメだ。勉強しないさい」とバッサリ否定をされた一悟。それを友人に愚痴っていたところ、友人からバイトを勧められて引き受けることにした。
しかし、そのバイトとは女装メイドカフェ。そして何とそこに父親が来店してきた。
思わず「お帰りくださいませ。お父様!」と一悟は発してしまう。
そんな一悟の願いは虚しく、メイドカフェを堪能する父親とバレないまま接客をする一悟。その中で父親の自分への想いを知り、「ちょっとは優しくしてやろ」と一悟が考えを改める心温まる場面も。
読めば読むほど思わず笑ってしまう、登場人物達のかけ合いに注目の漫画だ。
実際に作品を読んだ人からは「何回も見てしまった」「ぶっ飛んでて面白かった」「外で読んではいけない」「立て続けに笑いのネタをぶっ込んでくるのは反則だろwww」「全コマ面白い」「予想斜め上の面白さ」といった声があがっている。
今回は、作者・江久井さんに『女装メイドカフェでバイトをしていたら父親が来店した話』の制作について話を伺った。
――「女装メイドカフェでバイトをしていたら父親が来店した話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
本作は集英社のとなりのヤングジャンプ様の10Pショート読み切り企画に向けて制作したものです。
元々褒められていたギャグのテンポ、会話のかけあい、好きな物(ちょっと歪んだ親子愛と片目隠れ眼帯女装メイド)を組み合わせてみました。
元々【AIスピーカーと独身サラリーマン】というAIスピーカーと人間のBLを描いていたのですが、今回はBLではないけれど、私の作品が好きな読者層の性癖は男同士であり、それを意識しつつもとなりのヤングジャンプの読者層である男性も読めるものを意識してみました。
その結果が親に素直になれない思春期の息子(誰しも通る道)と、息子のことが好きだけど上手く話せない父親(身近にいそう)という関係です。
読みたいものと読めるものと描きたいものと描けるもののバランスを考えた作品でした。
――「女装メイドカフェでバイトをしていたら父親が来店した話」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
息子の家族ならではのツッコミです。
「君優しいな 親の顔が見てみたい」に対する「お前だよ」
とか「つれて帰りたいくらいだ」に対する「帰ったらいるわ」が特に気に入っています。
あとは気づいて下さった方は笑ってくれるお茶のラベルにも注目して欲しいです。
――今作を読んで多くの読者から反響があったと思いますが特に印象に残っているコメントがあればお教えください。
【AIスピーカーと独身サラリーマンの作者だ】といような内容のコメントを見た時は「覚えていてくださる方がいたんだ!!」と感動しました。
【見覚えのある絵柄】という内容のコメントも嬉しかったです。クセのある絵柄だとは思いますが、具体的にどこがどう私の絵なのかはわからないので…。
いずれにせよ、覚えていてくださる方がいるのは幸せです!
――普段作品を描く際にストーリーやキャラ設定はどんなところから着想を得ることが多いでしょうか?
性癖からです。
「こんな設定のこういう奴がこんなことしたら興奮する」とか「ただこの絵面を描きたいからそこに至るまでを考えよう」という自分の気持ちよさ優先な所があります。
逆に、それでは商品として求められるポイントや広い読者層に届けるには尖りすぎているのでそこは今後の課題かなと思っています。
でも色々考えて描くより、性癖で描いた方が評判がいい時もあり…難しいです!頑張ります!
――江久井さんの今後の展望や目標をお教えください。
商業連載がまたできるように広い読者層に向けて作品を作りたいなと思いつつ、自分の好きなものを優先して同人やSNS中心に活動しようかなと迷っている最中です。
やっぱり好きなものを多くの人に受け取っていただけるような描き方を考えようと思います。
それ以外では、TRPGが趣味なので立ち絵の依頼を受け始めたり、シナリオ執筆も引き続きやっていこうかなと思っています!
――最後に江久井さんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
︎いつもありがとうございます!
これからもどうかよろしくお願い致します。
各種媒体で活動していますので、見てくだされば幸いです!
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