<ダンジョン飯>“食”の一点から見事に描く”生命の循環”と“生と死”のテーマ

2024/03/29 16:50 配信

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アニメ「ダンジョン飯」第13話が放送(C)九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会

冬アニメ期待の一作としてアニメ化発表時から注目を集めていた九井諒子原作の「ダンジョン飯」(毎週木曜夜10:30-ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラス・Hulu・Leminoほかで配信)。3月28日に第1シーズンラストとなる第13話「炎竜3/良薬」が放送された。4月から始まる第2シーズンの前に、物語に見えた作品テーマを整理してみたい。(以下、ネタバレが含まれます)

グルメではなく“食”を通して伝えた生命の循環


原作は累計発行1000万部を超える人気コミックだが、メジャー誌での連載ではなかったために、アニメで内容を初めて知ったという視聴者も多かったはずだ。そんな原作未読者は、タイトルからして本作をファンタジーグルメ漫画だと思って見始めたことだろう。

たしかに本作はグルメジャンルに入る一作だ。食材が魔物なだけで、毎回面白くも美味しそうなメニューを見せてくれている。ただ、その中にあるテーマは美味しそうな食事を見せることではなく、“食”とは何か、を考えることにあった。魔物を食材に、というところでは「とんでもスキルで異世界放浪メシ」も共通しているが、ここのテーマは大きく違っている。比較されるケースもある両作だが、「異世界放浪メシ」はグルメ、「ダンジョン飯」は生命を頂く“食”。さらに踏み込んで言えば、本作の”食“は原作のキャッチコピーにあるように、「“食う”か“食われる”か」。弱肉強食の食物連鎖というものだ。

炎竜に食われたファリン(CV.早見沙織)。ファリンを蘇生させるため、魔物を食うことで腹を満たしながら迷宮を攻略してきたライオス(CV.熊谷健太郎)たち。コメディー色のある作風からあまり深刻な描写がなかっただけで、実際の戦いは弱肉強食の命懸けなものだった。これは炎竜戦のとき、「今までお前が食ってきた魔物の中に、死力を尽くさない者がいたか」「ここでは食うか食われるか。必死にならなければ食われるのはこちらだ」と、ライオスに喝を入れたセンシ(CV.中博史)の台詞に集約されていた。

アニメ「ダンジョン飯」第13話より(C)九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会