――ご自身の中でも新たな発見があった写真集をきっかけに、また新たな表現が生まれるかもしれない。その一方で『〈物語〉シリーズ』の新作『オフ&モンスターシーズン』では引き続き阿良々木月火を演じるように、付き合いの長いキャラクターとの向き合いもあるわけですからね。声優のお仕事は実に奥深いというか。
本当、夢のようなお仕事です。
――ますますこの写真集を境に表現者としての井口さんがまた変わっていくという期待もありますね。
私にとっても変化のきっかけになる一冊でしたね。今までは……特に30歳になるあたりまでは変わることが怖いというか、変わる必要がない、現状維持がとても素晴らしいことと思っていたんです。だけど、そこから年を重ねることで、最近はコロナ禍も経たときに、現状維持ってすごく緩やかに退化していっているんじゃないか?って感じたんです。
――なるほど。
もっと自分で前に進んでいかないと、自ら前に進んで新しい刺激を得ていかないと、このままじゃ声優としても人としても終わるって思うくらい「もっと変わっていかなきゃ」ってふと思ったんですよね。そんな中で変わること、新しい刺激を欲することで表現の仕方も変わっていくんだと思います。今までの私のファンの人たちからしたら「なんか井口さん変わっちまったな!」って思うかもしれないけど(笑)、根本は変わってないし、でもその中でもっと新しいものを知りたい、見たい、表現したいと思っていて、その中で出会えた今回の写真集だったので。
――声優としても挑戦したいという気持ちと、写真集に込めた想いは同じところにあるわけですね。
変わることや挑戦することは、すごく素敵なことだと思います。今はもっともっといろんなことに挑戦していきたいって思えるようになったし、挑戦した結果、自分の中でも変われるきっかけの一冊になったので、私だけじゃなくみんなにとっても、何かにチャレンジしたりとか、新しいことを始めてみようとか、それこそ運動を始めてみようとか、この写真集が何かしらのきっかけになってくれたらいいなって思います。
(取材・文=澄川龍一)
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