小野大輔&坂本真綾が『黒執事』を語る 15年前の収録エピソードも「私の隣に誰も座らなくて…」<アニメ『黒執事 -寄宿学校編-』>

本作でのキャラクターの魅力に、「今までで一番カラフルかも(坂本)」

【写真】横顔も美しい…今作、「寮監」という役割を演じるセバスチャン・ミカエリス(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler


――本シリーズでのセバスチャンとシエル、それぞれからみたキャラクターの魅力を教えてください。

小野:「寄宿学校編」におけるセバスチャンは、「寮監」という役割を演じていて、それを演じること自体をどうも楽しんでいる節がありますね。同じく「寮生」を装い潜入しているシエルの戸惑いや不満をいじって遊んでいるようなシーンも多くて、悪魔的なやらしさが出ています(笑)。茶目っ気のある行動や慇懃無礼な態度もセバスチャンの魅力だと思っていて、そういった部分が本作ではこれまでのシリーズよりも色濃く描かれているのもあるので、僕自身もすごく楽しんで収録しています。

坂本:元々私が感じていたシエルは、頭が良くてクールでカッコいい面と、年相応の無邪気さを表に出せない境遇、暗い過去を背負っている憂いの面を持つ男の子という印象でした。そんな影の部分も魅力といえば魅力ですが、みていて時々胸が苦しくなることがあって…。そんなシエルが、今作の「寄宿学校編」ではすごく生き生きと描かれているような気がします。寮生として、爽やかな普通の少年…自分ではない“もうひとりのシエル”を演じていて、先輩と過ごしてみたり、同室の男の子とベッドでひそひそとおしゃべりをしたり、クリケットの試合に夢中になったり……。もちろん女王の命で潜入している、という前提はあるけれども、今までのシエルにはみられなかったような喜怒哀楽、豊かな表情をいっぱいみせてくれたので、今作が今までで一番カラフルかもしれないですね。

『黒執事』という作品は、「紛うことなき、“代表作”(小野)」


――改めて、ご自身にとって『黒執事』という作品はどんな存在ですか?

小野:僕は紛うことなき、“代表作”。代表作って、社会的に認知されていて、世間の方々が「『小野大輔』といえば、この作品だよね」って言ってくれるものだと思うんですよ。そうなると、真っ先に挙がるのは『黒執事』。僕自身も、「どんな役をやっているの?」ときかれたら、一番に『黒執事』と答える…そんな作品になっています。名刺代わりの役であり、作品です。あと、『黒執事』があるおかげで、ギャグに振りきった役を演じることになっても「そんな振り幅もあるんだ!」と思ってもらえて、得していますね。

坂本:私は『黒執事』でほとんど初めて男の子役をやらせていただいて、その分苦労もしたのですが、シエルに出会えたから、後々この役にもあの役にも出会えた…というくらい、『黒執事』をきっかけに役の幅を広げてもらえたと思っています。シエルという存在が、私の声優人生を変えてくれたといっても過言ではない大きな出会いでした。今でも同業の声優さんや、道ですれ違った人から「『黒執事』を見ていました」とか「シエルがすごく好きです」って声をかけられることが本当に多くて。年齢も広く、いろんな方々に支持されていて人気のある作品なんだということを、今でもひしひしと感じながら過ごしています。そんな影響力のある作品に出会えたことはとっても幸運だったなと思いますね。

――では、最後に放送を楽しみにしているファンの方々へ一言メッセージお願いします。

坂本:アニメ化の発表があったとき、たくさんの反響をみて、本当に多くの方々が楽しみにしてくださっているんだなとうれしくて。収録をしていても「これは楽しめるだろうな」と早くおみせしたい気持ちになるくらい自信を持ってお届けできるものになっておりますので、是非堪能していただければ幸いです。

小野:原作、そしてアニメと、本当に多くの方々から長い年月愛されている作品で、きっと期待度は高いと思います。本作はファンの皆さまの思いをしっかりと受け止めて、その予想を超えるものになっています。これまでも、そしてこれからも『黒執事』を愛してくださる皆さまの期待は絶対に裏切りません。……あくまで執事ですから。

――ありがとうございました!