――恋敵チン・ソンホを演じたキム・ヒョンジンさんと共演してみていかがでしたか?
笑い話ですが、放送当時にはジョンウ派とソンホ派が視聴者の中で分かれていて、役者たちもそれを知っていました。ソンホ役を演じたヒョンジンさんに感謝しているのは、結局のところジョンウと結ばれるけれど、ソンホとのライバル関係があってこそジョンウ派の視聴者もドラマを楽しめるし、ジョンウとヘイが結ばれたときのシーンが生かされると思うんです。
ソンホ役のヒョンジンさんがすばらしい演技をしてくれたので、ジョンウとヘイのシーンがすてきなものになったと思っています。とても楽しかったですね。共演するシーンも多くて、ドラマではよくケンカもしました。背が高くてがっちりしているんですけど、実際はクマさんのようでかわいらしい人なので、楽しく撮影できました。
――恋敵として考えた時、ソンホよりジョンウのここだけは負けないと思うものは?
人に対する気持ちかな? それだけはジョンウのほうが勝っていると思います。ソンホは軽い気持ちで応援団に入ったけど、ジョンウは人の気持ちを弄ばない性格だし、そんな人でもありません。ジョンウのそういうところが、ソンホに負けない点だと思います。
――もしイニョクさんがヘイだったとしたら、ジョンウとソンホのどちらを選びますか?
撮影中も、論争が絶えない話題でした。ヘイの立場からすると、平凡な生活をしていたら当然ジョンウかもしれないけど、ヘイは経済的に苦しくて誰か頼れる人が必要だと思ったので、ソンホのほうがふさわしいんじゃないかと思ったことがあります。
実は、ジョンウも余裕がない人物なんです。精神的にも経済的にも。その反面、ソンホはお金持ちだし精神的に癒してあげられる余裕があります。だからヘイにとってはソンホが必要なんじゃないかと思ったりしました…が! 愛する気持ちを無視することはできません。たとえお金やいろいろなものを持っていたとしても、心は何ものにも代えがたいと思います。
――テイアは応援団内恋愛禁止でしたが、もしイニョクさんがジョンウ&ヘイと同じ状況に置かれたら、ルールは守りますか? それともバレないように恋愛しますか?
バレないように恋愛する! なぜなら、もちろんルールはルールだけど、その年代だからできる恋愛があると僕は思っています。学校での恋愛、会社での恋愛、大人になってからの恋愛がそれぞれ違うように、20代頭に感じる初々しくてお互いが全てだと思う感情は、その年代で感じるべきだと思っています。だからバレないように恋愛する! でもルールは守らなきゃいけないですよ?
――今も在学中ではいらっしゃいますが、学生時代に何かに夢中になったものはありましたか?
実は、中学生の時はサッカー部に所属していて、夢中でサッカーをしていました。高校2年生までは、チームを組んで大会にも出ていたんです。でもそれ以降は、芸術高校に転校したので大学受験に集中するようになりましたね。自分の人生で1番一生懸命生きた時期です。
サッカーは今でも続けていますが、撮影中はちょっと不安なので控えています。僕がケガをしたら全ての進行がストップしてしまうので。なので、最近は本気でサッカーをせずに、有酸素運動をする感じで軽く楽しんでいます。ケガもケガですけど、スタッフや周りに迷惑をかけてしまうので。
サッカーは幼い頃から好きで、自分でプレーするのも見るのも好きです。中学の時にサッカー部に入って、大会に出たり練習した経験で、達成感や負けん気などを感じることができたので楽しかったですね。
――演じられていてご自身が楽しみにしていたシーンはありますか?
ヘイとの感情を交わすシーンも楽しみにしていましたが、やはり合同応援戦や応援団として踊りを披露するシーンを1番楽しみにしていました。僕たちは制作者側なので、果たしてテレビやメディアに映った場面がどのように表現されるのか気になりましたね。思った以上にすばらしくて、華やかに表現されたので、監督の演出力はすばらしいと感激しました。
代役は使いませんでしたが、撮影当時は代役を使えたらいいなと思っていました。大変だったからではなく、代役の方が演じればもっとカッコよく表現できるだろうに…と思っていたんです。でも全て自分たちが演じたからこそ、こみあげてくるものもあったし満足できましたね。
――ご自身のお気に入りのシーンもあれば教えてください。
中盤のエンディングだと思うんですが、ヘイがいなくなって探し回るシーンがありました。やっとヘイを見つけて、怒りとも言えない怒りを感じながら彼女に声を荒げるシーンです。本当に怒っていたのではなくホッとした気持ちの表れというか…。そのシーンが1番記憶に残っていますね。
感情もうまく表現できたし、美しいシーンに仕上がったので。ジョンウがヘイに対する自分の気持ちを確信するきっかけになった出来事だと思います。
――印象に残っているセリフなどはありますか?
セリフとは言い難いですが、本当に記憶に残っているのは、数えきれないほど叫んだ「ヨンヒ喊声(かんせい)発射!」というセリフです。踊りの最中に学生たちに向ける掛け声なんですが、そのセリフが1番印象に残っています。心を動かすような美しいセリフより、団長であるパク・ジョンウを演じた自分としてはそのセリフが記憶に残っています。