出演した作品の多くがヒットすることから、いつしか「イ・ジェフン出演作に外れがない」とも言われるようになるほど、名実ともに俳優としての地位を磨き上げてきたジェフン。描かれたストーリーのテーマもさることながら、彼の演技力の深さがより堪能できる作品としてNetflixオリジナルドラマ「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺産整理士です」(2021年)も挙げたい。
同作は故人が残した遺産整理を通して、彼らが生前に伝えたかったメッセージをひもとく物語。遺産整理士として働く甥のハン・グルのもとに突然現れるのがジェフン演じる、刑務所から出所したばかりの叔父のチョ・サングだ。
急死した兄がグルの後見人になるようサングに遺言を遺していたことから、泣く泣く甥と一緒に共同生活を始めることになるのだが、グルと出会ったことで次第に自分のつらい過去に向き合っていくサングの姿にはこちらも感情移入してしまうほど彼の思いが伝わってくる。
また最初は、アスペルガー症候群のグルのことを雑に扱うサングだったが、不器用な彼なりに理解し合おうとしていく姿やグルを守る姿には演技と分かっていながらも心に響くシーンとして印象深い。
俳優として第一線で活躍する一方で、2021年には動画配信サービス「WATCHA」の企画による短編4作品のオムニバス映画「UNFRAMED」で初めて監督業に挑戦。ジェフンの他3人の俳優たちが監督を務める中、ジェフンは真面目な青年が一攫千金の夢を見て人生の全てを注ぎ込む株取引の世界を描いた「ブルーハピネス」で監督・脚本を務めた。またジェフンたってのオファーで、主演にはチョン・ヘインを起用。新たなフィールドでマルチな才能を見せつけている。
そんなジェフンが、最新作「捜査班長 1958」では1958年の韓国・ソウルを舞台に地方から赴任してきた田舎者刑事・ヨンハンを演じている。
本作は破天荒な若手刑事が個性溢れる同僚3人とチームを組み、権力の腐敗を暴くために奮闘する作品。韓国で記録的大ヒットとなった伝説的ドラマ「捜査班長」の前日譚を描く。古き良き捜査ドラマのロマンスとユーモアが詰まったストーリーが現代に復活。
地方から赴任してきた牛泥棒専門の田舎者刑事ヨンハンが、狂犬とあだ名される後輩のサンスン(イ・ドンフィ)、怪力を誇る青年ギョンファン(チェ・ウソン)、エリート新人のホジョン(ユン・ヒョンス)の3人とチームを結成し、醜悪な犯罪に立ち向かう。汚職にまみれた刑事たちの中で、信念を貫くヨンハン。彼の型破りな捜査と熱い信念で、チームは堕落した権力に立ち向かい、人々のための刑事に生まれ変わるべく成長していく。
「シグナル」でも同じく刑事役として出演しているジェフンだが、本作ではどんな手法で事件を解決していくのかにも注目したい。
なお、「捜査班長 1958」は4月19日(金)より毎週金・土曜1話ずつディズニープラスのスターで見放題独占配信(全10話)。
◆文=suzuki
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