コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、マイペースな女の子と、学歴重視な母の親子関係をテーマに描いた漫画『3月22日』をピックアップ。作者である漫画家のrinchangさんが、2024月4月8日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、7000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
大好きなぬいぐるみの“ミミちゃん”の絵を先生に褒めてもらい、嬉しそうな表情を浮かべるミナ。そんな彼女は“外で遊ぼう”と先生に提案されても、首をブンブンと横に振り、先生からの提案を断るほど、絵を描くことが好きだった。
家に帰り、描いた絵を母親に渡すミナ。「…上手ね〜」と一応ミナの描いた絵を褒めるが、母親はそれよりも勉強をさせたい様子。「お絵描きもいいけどさ、今日もお風呂で『お勉強』やろうか」と提案する。ミナは怯えたような表情を見せるが、言われるがまま、お風呂で勉強をすることになってしまう。
「どうしてこれがわからないの?何度も教えてるよね?13-8は?」という母親の強い口調に、ミナは思わず黙りこむ。来年小学1年生へ進級するにもかかわらず、簡単な計算や受け答えができないミナに母親は怒りをぶつけた。
強い口調で怒られてしまったミナの目にはいっぱいの涙が浮かぶ。しかし「またそうやって…泣くのだけは一丁前よねー本当にっ」「その涙はなんの涙?」などと、母親はさらにミナに強い言葉をぶつける。こうして母親の辛らつな言葉は、少しずつミナの心を蝕んでいき――。
本作を読んだ人たちからは、「心が痛い」「ミナちゃんよく生き延びたな…」「ずっと応援してる」「心当たりがありすぎる」「私も頑張ろ」など多くの反響の声が寄せられている。
――『3月22日』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「大人に言われた辛い言葉」ばかりに囚われている自分を成仏させたいと思ったのが最初のきっかけです。
――本作では、母親の発した言葉がミナにまとわりつく描写が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
特にこだわったのは「母親のけなし方」です。直接的な強い単語は使いすぎず、かつ確実にミナ(子供)の心を多角的に蝕み、罪悪感を生ませる言葉となるよう意識しました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
ミナの身体を巣食っていたクリーチャーたちが出て行き、ミミちゃんが再び現れるシーンです。単純に爽やかな気持ちになりますし、わらわらと出て行くクリーチャーたちが描いていて楽しく、愛着が湧いたためです。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。
主に子供時代の思い出や写真、季節の行事・風物詩から着想を得ます。動物の習性・特性から思いつくこともあります。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか。
曲線に異常なこだわりがあり、自分の中で納得できる曲線になるまでつい何度も描き直してしまいます。
――今後の展望や目標をお教えください。
陰のある作品・明るい作品、どちらも今後も製作していく予定ですが、丁寧なお話づくりと前述した曲線だけはブレずにこだわっていくことが、長い目で見た目標です。直近の目標は、何らかの形で自身の作品を本にして出版することです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
私の作品を見てくださり、いつも本当にありがとうございます。皆様に作品を見てもらい、ありがたいことにコメントなども頂くことが、今の私の生きがいとなっております。もっと面白く質の高い作品を制作できるよう精進してまいりますので、これからも応援していただけたら嬉しいです。
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