吹奏楽に青春を捧げ、全国大会での金賞を目指す高校生たちの姿を描いた「響け！ユーフォニアム」(毎週日曜昼5:00-5:25ほか、NHK Eテレ／NHKプラス・Lemino・ABEMA・ディズニープラスほかで配信)、シリーズの「最終楽章」となるTVシリーズ第3期。新部長に就任した黄前久美子(CV:黒沢ともよ)は3年生に進級し、部員たちとともに高校最後の大会へと臨んでいく。第三回は、部活の厳しさ問題をきっかけに久美子が部長としての役割を見出す「みずいろプレリュード」。(以下、ネタバレを含みます)
サンライズフェスティバルを10日後に控え、朝練に熱心に取り組む1年生の義井沙里(CV:陶山恵実里)と、沙里の付き合いで朝練に来ているという釜屋すずめ(CV:夏川椎菜)。すずめは、真面目で練習熱心な沙里のことを1年生のリーダーだと持ち上げ、将来の部長候補と太鼓判を押す。一方吹奏楽部全体も、サンフェスに向けた練習が佳境に入っていく。とくにドラムメジャーの高坂麗奈(CV:安済知佳)の指導は熱を帯び、その厳しい物言いに思わず泣いてしまう新入部員もいるのだった。
神社の前で柏手を打ち、ため息をつく沙里のカットから始まるなど、どこか不穏な雰囲気を漂わせて始まった第三回。部活に真面目に取り組みつつも、どこか浮かない表情を浮かべる沙里と、そんな彼女の様子とは正反対に元気なすずめの対比が印象的だ。すずめは前話で描かれた通り、自分の思い込みで突っ走る傾向があり、今回もそんな性格が絶賛発動中。やはり1年生随一のお騒がせ娘なのは間違いなさそうだ。ちなみに今シーズン注目の黒江真由(CV:戸松遥)は、サンフェスの衣装合わせにて、無自覚にも胸の大きさで久美子にダメージを与えている。自分との格差を自覚した久美子がひとり天を仰ぐと、室内ながらも青空が広がるなど、リアル志向な本作には珍しいコメディ描写が光っていた。SNSでは「あすか先輩に続いて真由にも惨敗か」「胸囲(きょうい)の格差社会w」などの声があがっていた。
朝練時、沙里と会った久美子は、沙里から「先輩は、部活、楽しいですか？」と問いかけられる。さらにはすずめから、このままだと1年生が集団退部するかもしれないという話を聞き、衝撃を受ける久美子。すずめの話では、その原因は麗奈の厳しい指導にあり、経験者からは尊敬されつつも、初心者はその指導についていけないのだと言う。そしてその話を聞いた矢先に、沙里やすずめたち1年生4人が同時に部活を休むという出来事が起こる。
冒頭から醸し出していた不穏な空気感が、ここでついに牙をむいた。コンクールで全国金を目指す以上、練習についてこれない部員はフォローできないと考える麗奈と、誰も見捨てたくないと考える久美子。どちらの考え方も理解できるし、きっとそこに正解はないのだろう。そんななかで印象的だったのは、真由の発言だ。真由は辞めたい人は辞めればいいと自身の考えを述べ、さらには「たかが部活」と発言。そして、これに敏感に反応したのが、やはり久美子だった。前話でも「部活」に対する両者の向き合い方の違いが明らかになったが、今回もまたそのズレが明確になったと言える。SNSでも「真由の言うこともまた真理なんだよな」「正論だけど怖い」などの声があがっていた。
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