「SHOGUN 将軍」が世界を魅了した3つの理由 人間味あふれる武将や“世界が恋した”女性陣…ハリウッド版戦国ドラマ完結

2024/04/28 11:10 配信

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「SHOGUN 将軍」はディズニープラスのスターで全話独占配信中(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

真田広之が主演&プロデュースで参加し、ハリウッドの制作陣が手掛けたドラマ「SHOGUN 将軍」が4月23日配信の第10話をもって完結した。日本人の役柄はエキストラも含めてすべて日本人が演じるなど、徹底して「世界に“日本”を正しく伝えたい」という思いで制作された本作は、本国アメリカでも大絶賛。各レビューサイトで満点に近い評価をたたき出し、「エミー賞」ノミネート予想にも名前が挙がるなどにぎわっている。それほどまでに本作が高評価を得ている理由を、ドラマの印象的なシーンとともに振り返ってみたい。(以下、ネタバレを含みます)

理由その1:オリジナリティーあふれる人物たち


舞台は戦国時代末期の日本。“太閤”亡きあと政治を担ってきた“五大老”の確執が表面化し、筆頭格である石堂和成(平岳大)は他の五大老と団結。関東領主である吉井虎永(真田)の権勢を奪わんと大坂城に呼び出す――。

そんなふうにスタートする本作。設定だけを見ると広く知られた“関ヶ原前夜”の物語だが、登場人物の名は見慣れないものばかり。それもそのはず、本作はジェームズ・クラベルのベストセラー小説を原作としたオリジナルストーリーだ。

虎永は徳川家康、石堂は石田三成…など歴史上の人物にインスパイアされてはいるものの、それぞれの人物のプロフィルや描かれ方には史実と異なる部分が多い。さらには、完全オリジナルキャラクターも多数存在する。だからこそ、戦国末期を舞台にしながらも史実をベースにしたドラマとは異なりストーリー展開が読めず、生き生きと躍動するキャラクターたちの物語に没入することができる。

例えば虎永の息子・長門(倉悠貴)は、特定の人物にインスパイアされた存在ではない。第7話では、虎永から跡取りとして期待されていた長門が衝撃の最期を遂げ、跡取りを失った虎永は窮地へと追い込まれていく。“跡取りの死”という史実とは明確に異なるエピソードを経て、虎永の物語は予測がつかないスリリングなクライマックスへと突入していく。

虎永の息子・長門(倉悠貴) 「SHOGUN 将軍」第4話より(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks


伊豆の領主・樫木藪重(浅野忠信)も、具体的なモデルがいない。自身の領地にオランダ船が漂着したことで、藪重はそこに積まれた強力な大砲や武器にチャンスを見いだす。浅野がケレン味たっぷりに演じる戦国きっての野心家・藪重が、にらみ合う虎永と石堂の間で人間くさく立ち回り、ストーリーを大きく引っかき回す。

「SHOGUN 将軍」第10話より(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks