俳優・アーティストの岸本勇太が語る、役者であり続ける理由や出演作への思い

2024/05/01 19:00 配信

2.5次元 インタビュー

岸本勇太撮影=山内洋枝

俳優・アーティストとして活躍する岸本勇太。ボーカリストとして芸能界デビューを果たした岸本に、これまでの出演作への思いや俳優人生の中での大きな出来事などを聞き、俳優としての姿に迫った。また、5月10日(金)に開幕する主演作・パーセプションステージ『Opus.COLORs』への意気込みについても語ってもらった。

「ハモネプ」を観て歌の世界へ

岸本勇太撮影=山内洋枝


――岸本さんは芸能界入りする前は美容師をやられていたそうですね。そこからオーディションを経てボーカリストとしてデビューされましたが、そもそも歌に興味を持ったきっかけを教えてください。

高校生のときに「ハモネプリーグ」というアカペラでパフォーマンスをする番組を観たことがきっかけなんです。すごく面白そうだったので、当時、同じクラスの隣の席の子にその話をしたところ、たまたまその子がとても音楽に詳しい子で「できるよ!」と言ってくれて。そこから歌える子を集めて、学園祭で発表もしたんです。メインパートを担当させてもらったのですが、初めて人前で歌って歌の楽しさを知りました。

――デビュー直後はダンスボーカルユニットとして活動されていましたが、現在のように舞台を中心にご活躍されることになった経緯を教えてください。

当時所属していた事務所の社長さんの知り合いに舞台の制作会社の方がいらっしゃって、その方から「今こういう役をできる人を探している」と声をかけられたんです。まったく芝居の経験はなかったのですが、出演できることが決まって。そこから舞台の世界でも活動させていただくことになりました。それが2017年に上演されたB-PROJECT on STAGE『OVER the WAVE!』なのですが、今振り返ると芝居に出会えたのは本当に当時の事務所のおかげだなと思います。

岸本勇太撮影=山内洋枝


――そんな俳優としてのやりがいや魅力はどこに感じていますか?

今、フリーランスとして活動していることもあり、さまざまな制作物にも関わっています。俳優業に限らず、自分が楽しんでやっていることをファンの皆さんも楽しんでくれている、ということが共通してやりがいになっているんです。だから、ファンの皆さんが楽しんでくれることをやりたいというスタンスで活動しています。

――あくまでも、ファンの皆さんが何を望んでいるかに重点を置いているということなんですね。

そうです。だから、俳優業のここが楽しくて続けているというよりも、僕がお芝居をすることをファンの皆さんが楽しんでくれているから、ここまで続けてこられたと思っています。とくにこの職業は、求めていただくということがとても大事になってきますし、それに対して期待以上のもので応え続けるということが大切。それが、やりがいですね。

ミュージカル『薄桜鬼』で関わった人たちからの影響

岸本勇太撮影=山内洋枝


――舞台でも歌唱パートがある作品は多いと思いますが、ボーカリストの経験が舞台に活かせたと感じる出来事はありますか?

芝居を始めた当初は、舞台での歌唱も近いものだろうと思っていたんです。でも、掘っていけばいくほど意外と違うものだなと感じるようになりました。そもそも声を乗せるマイクが通常のライブと舞台とでは違いますし、音の乗り方も違うものになるんです。

そこを使い分けていくことがなかなか難しくて。これからも舞台でやっていくには絶対そこを攻略していかないといけないので、少しずつアプローチの仕方を変えて試行錯誤している真っ只中ですね。難しいですが、そこを探求していく面白さもあるなと感じています。

――歌の部分でお手本にしている方はいらっしゃいますか?

上手な方はたくさんいらっしゃいますが、衝撃を受けたのは、ミュージカル『薄桜鬼 志譚』土方歳三 篇でご一緒させていただいた輝馬さんです。輝馬さんの歌を聴いたときにとても驚いて。正直、格の違いを見せつけられたというか。それまでの僕は、歌に対して過信というか自信を持っていたので、土俵が変わるとこんなにも通用しないのかと感じました。今でも輝馬さんの作品を観に行かせていただくことがあるのですが、やっぱり段違いの方だなと思いますね。

また、同じ作品で当時座長をやられていた和田雅成さんからも影響を受けました。“薄ミュ”は殺陣も多いですし、特に主演の位置にいる人が本当に大変な作品で。ストーリーも相まって、身を削りながら心身ともにギリギリの状況でやられているんですよね。

輝馬さんもそうですが、和田さんも言葉で伝えるというより、背中で語るタイプの座長で、本当に生き様がかっこよかったです。今でも、仕事をしていてしんどいなと感じたときは、“薄ミュ”の映像を見返して「あのときこうだったよな」と思い出しながら自分を奮い立たせているので、これからもずっと影響を受け続けていく人だと思っています。

岸本勇太撮影=山内洋枝


――“薄ミュ”自体が、ターニングポイントになった作品といえそうですね。

そうですね。本当に衝撃や影響を受けました。歴史のある作品ですし、僕が入ったときは新人が僕ぐらいだったので、毎日必死でした。今思えば、あのタイミングで参加できたことがよかったのかなと。たくさんの学びを得ましたし、全力で挑めたと自分でも思っています。

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