日本最大級の映画専門チャンネル「ムービープラス」では、ハリウッド屈指の“色男”ことブラッド・ピットが出演する映画を特集する。2023年に“還暦”を迎えた彼だが、魅力は衰えるどころか常にキープし続ける肉体美や年を重ねるごとに色気が増すビジュアル、そして作品ごとに雰囲気を変えて魅了する演技力を兼ね備え、押しも押されもせぬ希代のハリウッドスターとして君臨している。今回は殺し屋からスタントマンまで多彩な役を体現し、色褪せることのない魅力を放つ名優“ブラピ”のさまざまな顔が見られる作品を紹介する。
●20代:「テルマ&ルイーズ」「デビル」
世界を虜にするハリウッドスター“ブラピ”ことブラッド・ピットは、現在60歳の現役俳優。若かりし頃、ハンサムなルックスだけでなくあふれるスター性で脚光を浴びたのが、1990年代に公開されたロードムービー「テルマ&ルイーズ」(1991年)への出演だ。ブラッドは本作の主人公・テルマ(ジーナ・デイヴィス)とルイーズ(スーザン・サランドン)の2人が旅の途中で出会うヒッチハイカーで泥棒のJ.D.を演じている。白いカウボーイハットにミディアムロングヘアがトレードマークのセクシーでやんちゃな男を、当時28歳でまだ無名の新人だった彼が演じ切り、映画界に大きなインパクトを残した。また同じ90年代に公開された「デビル」(1997年)では、ハリソン・フォードと共演し、アイルランド独立運動に身を投じた冷酷なテロリストのローリーに扮している。
●30代:「ファイト・クラブ」「オーシャンズ11」
30代の彼のキャリアの中で、今もなお代表作の一つとして語り継がれるキャラクターがデビッド・フィンチャー監督作「ファイト・クラブ」(1999年)のタイラー・ダーデン役だろう。この映画のオチも衝撃的なことは有名な話だが、劇中であらわになるブラッドの引き締まったボディーを始め、真夜中に殴り合いを繰り広げる秘密結社“ファイト・クラブ”を率いるタイラーが醸し出す圧倒的なカリスマ性、どこが引き金か分からない怖さなど、とにかく危険な男として鮮烈な印象を与えた。野性味を感じさせる“男臭さ”を持つタイラーは、当時勢いに乗っていた彼だからこそ表現でき、まさに抜群のハマり役だった。
一方、ジョージ・クルーニーやマット・デーモンら豪華俳優と共演した映画「オーシャンズ」シリーズでは、カリスマ窃盗犯のダニー・オーシャン(ジョージ)の旧友で右腕的存在のラスティ・ライアンに扮している。本シリーズでは、彼ら犯罪ドリームチームが着こなす正装姿も魅力の一つで、白の上下セットアップにサングラスで町を颯爽と歩くライアンは悪党にも関わらず、惚れ惚れするほどカッコイイ。「オーシャンズ12」(2004年)の公開タイミングには40歳を迎えた彼だが、老けるどころかハンサムさに磨きがかかり、 “イケオジ”としての魅力が溢れ出す作品とも言える。
「スナッチ」(2001年)は、ガイ・リッチー監督にほれ込んだブラッドが自ら出演を希望し、ジェイソン・ステイサムやベニチオ・デル・トロと共演。刺青だらけのパイキー(放浪人)で、八百長試合に利用される天才的ボクサーを演じた。
●40代:「Mr.&Mrs.スミス」「マネーボール」
後の妻となるアンジェリーナ・ジョリーと共演したことでも話題となった「Mr.&Mrs.スミス」(2005年)では、殺し屋のジョン・スミスに扮し、アンジェリーナ演じる対立組織の殺し屋のジェーン・スミスと激しいアクションシーンを披露した。殺し屋同士だとは知らずに2人は恋に落ちてしまうというコメディー要素満載の本作では、本格的なアクションシーンだけではなく、おっちょこちょいなジョンをコミカルに演じており、おちゃめさも垣間見える役柄で魅力を発揮した。
2010年代に出演した「マネーボール」(2011年)では、プロ野球選手から、大リーグ・アスレチックスのゼネラルマネジャーに転身した頭脳派ビリー・ビーンを熱演。アカデミー賞では主演男優賞にノミネートされるが惜しくも受賞とはいかなかったものの、独自の理論で突き進み、理にかなったトークスキルでチームをまとめあげていく姿はとても見応えがある。
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