コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、越田うめさんが描く『龍神さまが供物にされてた女の子と疑似親子して嫁に出す話』をピックアップ。また、本作の“その後”を描いた『龍神の娘』が月刊少年ガンガンにて連載中で、6月12日には第1巻が発売される。
2024年3月30日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.7万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、越田うめさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
とある村の娘・水都瀬(みつせ)は、“貢物”として龍神さまの元へやってきた。日照りが続いていたことで龍神さまに雨を降らせてもらおうと、村長が願いを叶えてもらうために貢物を寄越したのだった。
龍神さまは水都瀬を帰そうとしたが、事情を聞くと娘には家族がおらず、村の仕事を手伝うことでなんとか食い繋ぎながら生活してきたということだった。少し考えたのち、龍神さまはしばらくの間、水都瀬を家に置くと決める。龍神さまは水都瀬へ“いっぱい遊んで少し勉強をして、たらふく飯を食ってしっかり寝ること”と伝えた。
たくさんのご飯、温かい布団、そして自分の名前を呼び頭を撫でてくれること…。水都瀬は、こんなにも幸せで嬉しい気持ちは、両親を亡くしてから初めてだった。この生活を失いたくないと思った。ひとりは寂しい…。
龍神さまもひとりが寂しいことは知っている。そして、水都瀬を側に置いておけば置くほど、別れが寂しくなることも…。いつの間にか、龍神さまは水都瀬を本当の娘のように思っていた。神様の命に比べると、人間の寿命はとてもとても短い。いつか水都瀬が老い、死んでいく様を目の当たりにするのは龍神さまにとって、とてもつらいことだった。
龍神さまは水都瀬が年頃の娘になると、彼女の幸せを願って自身の末裔である帝と出会わせた。そして、水都瀬は妃として迎えられ、人の世界へ戻ることになる。水都瀬は龍神さまにつらい思いをさせないため、静かに別離を受け入れた。別れは寂しくとも、二人はお互いの幸せを願うのだった――。
本作の投稿には「涙が止まらない」「優しく素敵な物語」など、出会いと別れの繊細な感情を描いたストーリーに心を温める読者からの感想が多く集まった。また、龍神さまに仕え、水都瀬と親しくなる犬の“狭霧(さぎり)”に夢中になった読者のコメントも寄せられていため、動物好きな人にもぜひ読んでほしい作品だ。
――『龍神さまが供物にされてた女の子と疑似親子して嫁に出す話』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
このお話の元になった短い話があるのですが、その時は寝起きに「いい話思い浮かんだぞ」と思いついて三日ほどで描き上げました。
――本作を描く上で、特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。
神さまと人で違う存在だけど想い合う様子とか、水都瀬と龍神さまの別れが悲しいだけのものではない、というところは気を付けました。
――物語の始まりにある「別離が来るなら春がいい」をはじめ、作中には心に留まる言葉や優しい雰囲気溢れるシーンなど、印象的な場面がいくつもありました。越田さんにとって特にお気に入りのセリフやシーンを理由とあわせてお教えください。
お気に入りのシーンは最後の龍神さまです。
ラスト数ページセリフなしにしたのがうまく効いたのでは?とちょっと自画自賛していました。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”とともに、「涙が止まらない」「素敵なお話でした」など、作品の温かく優しいストーリーに心を動かした読者からのコメントが多数寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
ありがたく、とても嬉しいです。
――本作の“その後”が描かれている連載作品『龍神の娘』のあらすじや見どころをお教えいただけますでしょうか。
両親を亡くした少女、夜戸理が水都瀬の子の皇子と会って怨念の宿った鏡をめぐる事件と謎を追っていく話です。モフモフもあるよ!
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
『龍神さまが供物にされてた女の子と疑似親子して嫁に出す話』を楽しんで頂けてとても嬉しかったです。まだまだ描きたいものはたくさんあるので、それを読んで少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
『龍神の娘』もよかったらよろしくお願いします。
ありがとうございました!
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