実写ドラマ『からかい上手の高木さん』の再現度に称賛の声続出、今泉力哉監督「意識したのは派手なことを削いで、生っぽく」

2024/05/14 06:00 配信

ドラマ インタビュー

ドラマ、映画共に「いいキャスティングができた」


――ドラマ、映画共に魅力的なキャストでの実写化となりましたが、高木さん役の永野さんと月島さん、西片役の高橋さんと黒川さんに通ずるなと感じる部分はありますか?

たしか映画の永野さんと高橋さんが先に決まっていたのですが“絶対に通ずる人を選ばないと!”という意識はありませんでした。でも、どこかで通ずる部分があればいいなとはもちろん思っていて。

ドラマと映画を見比べると、永野さんと月島さん、高橋さんと黒川くんはどこか似た雰囲気がありますし、声などを含めて「成長したらこうなるのかも」感がすごくあるので、改めていいキャスティングができたと思いますね。

ドラマは3月、4月に撮影をして、映画は7月、8月に撮影していて、合間に少し時間があったので、永野さんと高橋さんはドラマの編集した映像を多少見た上で撮影に挑んでいるんです。高橋さんは黒川くんの芝居を、まねるわけではないけど、ヒントにできたというお話をされていました。

――ドラマと映画をつなぐ唯一のキャストとして江口洋介さんが出演されていますが、撮影時のエピソードを教えてください。

ドラマに出演している中学生キャストたちは、たしかな技術というよりもフレッシュさで演じているので、(江口さんからすれば)一緒にお芝居をするのは大変な部分もあったと思うんです。ですが、江口さんは「みんなから学ぶこともあるよな〜」というお話をされていて。「まだ学ぶんだ!」と驚かされました。

そうそう。卒業式のシーンで江口さんの横にいた先生役のエキストラさんがすごく緊張していて。そりゃそうです、江口洋介ですから(笑)。江口さんが泣くシーンで、その方に「江口さんが泣いたら肩を叩いたりしてなぐさめてください」というお願いをしたら、よけいに緊張して全然うまくいかなくて。「え、俺が江口洋介に触れるの!?」みたいな空気になって(笑)。「やっぱりなぐさめなくていいです!」と演出を変えたこともありました。

――月島さん、黒川さん以外の中学生キャストたちも魅力的です。

北条を演じている早瀬憩さんは、現場で見ていてお芝居をするのが好きなんだろうなということを強く感じました。この作品のあとに受けたオーディションで、ある映画のメインキャストに抜てきされたと聞き、とてもうれしかったです。

あとは、市村正親さんと篠原涼子さんの長男・市村優汰くんが高尾役で出演していて。撮影後にアフレコで久々にお会いした時、撮影から半年くらいしか経っていないのに身長も伸びているし、雰囲気もかなり変わっていて。撮影中はしっかり中学生でいてくれたのに、すっかり大人っぽくなっていて驚きましたね。