市原隼人“甘利田”の近距離シーンは「時代の象徴」 体感した大原優乃&田澤泰粋は「うれしい」<おいしい給食>

2024/05/12 12:00 配信

映画 インタビュー

大原優乃「市原さんの存在があるからこその景色」


――大原さんと田澤さんは本日の完成披露上映会で、市原さんは全国行脚でもファンの方々と交流されましたがいかがでしたか?

市原:やっぱり我々エンターテインメントの中で生きている人間として、お客様のために現場で奮闘し続けるということが一番やらなければいけないことなんだと改めて感じさせていただきました。「Season1」が終わった時に、続きをやる勇気が本当は僕にはなかったんです。ですが、たくさんのお客様から「『おいしい給食』見てます」「甘利田先生大好きです」と笑顔で言っていただき、この笑顔を絶やしたくない、この笑顔をいつまでも守りたいという思いが湧いてきて、「おいしい給食」を熱望してくださるお客様に恩返しをしたい、その一心でこれまでも、そして今作も創り切りました。本当にお客様からはいろんなことを学ばせていただきました。

大原:私は「Season3」から参加させていただいた身なので、今日の舞台あいさつで改めてたくさんの方に愛されている作品なんだというのをより感じました。ここまで真ん中に立って、作品を背負われて、引っ張ってくださっている市原さんの存在があるからこその景色だったと思うので、今日同じ舞台に立たせていただいたことを光栄に思います。

田澤:(会場に足を運んだお客さん自作の)「おい給」とか「給食愛」って描かれたうちわを見ていると、それは「Season1」「Season2」と作り上げてきた市原さんや現場の方々がやってきた努力の結晶で、本当に作品が愛されているのを感じました。たくさんの方に観ていただけるとなると緊張するんですけど、お客さんに届くのがとても楽しみです。

英語教師・比留川愛を演じる大原優乃撮影=宮川朋久


市原隼人&大原優乃が田澤泰粋にびっくり!


――「おいしい給食」はドラマシリーズからの映画化ですが、ドラマと映画では作品へのアプローチ方法は変わるのでしょうか? また、違いを感じたところはありましたか?

市原:僕は変わります。やっぱり映画は特別感があると思っていて、お客さんが映画館で楽しみたくなるような意義を作らなきゃいけない。さらに、映画では必然的に物語性が深く掘られていて、ドラマでは見ていただけないそれぞれの登場人物の表情も見ていただけますし、甘利田先生としてもより多くの面を見せていきたいので、もう1個ギアを上げます。

大原:今回、映画を拝見した時に、ドラマと同じ世界観で同じキャラクターのはずなのに息遣いだったりとか、足音までもがお芝居としてより鮮明に散らされていて、映画ならではの魅力が詰まっているなと思いました。

田澤:映画になるとシリアスなシーンが増えてくるので、難しいシーンもたくさんあったんですけど、市原さんにアドバイスをいただいたり、スタッフの皆さんに雰囲気を作っていただいて、僕にできる最大限の演技ができたかなと思います。

――田澤さんが特に難しいと感じたシーンをネタバレにならない範囲で教えてください!

田澤:シーン35の海辺の道の…。

市原&大原:すごい…!

田澤:(照れ笑い)。ケンが甘利田先生に自分の気持ちを伝えるけど、本当に伝わっているか分からないという中学生ならではの心情が表れたシーンで、台本をもらった瞬間からずっと考えてきて、綾部監督ともずっと話してました。とても難しいシーンで、そのシーンの撮影日もずっとそのことが頭から離れない1日でした。

市原:今までドラマにも無かった、粒来ケンが給食に対する本当の気持ちを吐露してしまう、ちょっと感情的になってしまうシーンなのですが、それを甘利田がどのように受け止めるかという…その日、僕の近くにいた泰粋が小さい声で「来た!」って言ってて、あぁ、ずっとこのシーンを構えてたんだなって。本当にすてきなシーンで、今だからしか撮れない、当時14歳の多感な泰粋にしかできない芝居を演じていて、たくさん学ばせていただきました。

甘利田(市原隼人)の新たな食のライバル・粒来ケンを演じた田澤泰粋撮影=宮川朋久