市原隼人“甘利田”の近距離シーンは「時代の象徴」 体感した大原優乃&田澤泰粋は「うれしい」<おいしい給食>

2024/05/12 12:00 配信

映画 インタビュー

田澤泰粋「いや、もう本当にかっこよくて…」


――お三方といえば、シリーズ内でおなじみの甘利田先生が近距離で迫ってくるシーンがありますが、撮影現場での様子はいかがでしたか?

大原:やっぱり画面で見るよりも迫ってくる迫力がすごくて、気持ちがひよってしまって後ろに下がるとまた詰めてこられたので…(笑)。

市原:危ないヤツじゃん(笑)。

大原:最初は愛先生の弱さを表現してひるんでしまったんですけど、映画ではその距離感の変化を表せていると思います。でも、私たちは迫ってくる甘利田先生の姿にある意味ちょっと慣れているかも知れないけど、ゲストでいらっしゃる方は…。

市原:そうですね。みんな避けて…でも、避ければ避けるほど僕が詰めるので(笑)。

田澤:僕はドラマで見ていたシーンだったので、まず最初にうれしいっていうのがあって、あとはかっこいいなって…。

市原&大原:(笑)。

田澤:いや、もう本当にかっこよくて…迫力もすごくて、熱気もすごいので役としてできることをしっかりと考えたうえでかっこいいなって思って見てました。

市原:今の時代は、顔と顔を突き合わせる時間も少なくなっているので、時代の象徴としてわかりやすいんですよね。コメディーだけど、本質を捉えている甘利田の距離感…より相手の奥に踏み込んで、しっかりとひざを突き合わせて話し合う時代を象徴したアプローチとして僕は作ってました。

――ゲストの方がためらっている感じって伝わってきますか?

大原:みんな最初は笑っちゃうので、それを見て「ですよね!」って(笑)。でも、確かにあのシーンはうれしいです。これだこれだ! ってなりました。

市原隼人「やっぱり給食は楽しい時間であってほしい」


――これまで、数々のおいしい給食が出てきましたが、今回は「おいしくない給食」が登場します。実際に食べてみていかがでしたか?

市原:給食には栄養面や経済面、後世に残しておきたい食材や文化も含めて、いろんな方が考えて、いろんな食材を子供たちに食べてもらいたいという切実な思いが込められていると思いました。ですが、その思いも無理に押し付けることで傷付けてしまう人もたくさんいる…どんなことにおいても押し付けることはダメなことだと感じました。

「食」は生きるうえで欠かせないことだと思います。食材をおいしく食べるために煮たり、焼いたり、蒸したりしているのは、地球上に人間だけだと思うんです。おいしく食べるために工夫していることには必ず意味がある。給食の在り方をいろいろ考えさせられました。大人でも食べたくないものは食べたくないって思いますし、やっぱり給食は楽しい時間であってほしいです。

大原:それぞれの価値観がぶつかるシーンだったので、「おいしくない」「おいしい」を通り越して、切なかったですね。それぞれがおいしくない給食を目の前にして歌う校歌のシーンも印象的でした。

田澤:おいしくない給食でもあって、楽しくない給食でもあったので、いつも食べている給食がどれだけ幸せで楽しいかというのを改めて実感しました。

――今作はタイトルにもあるように、甘利田先生が念願のイカメシにたどりつけるのか…つけないのか…が描かれます。そちらにちなみ、皆さんにとって憧れの食事や思い出のご飯はありますか?

市原:僕は定番になってしまうのですが、母が作ってくれたご飯が食べたくなります。実家に帰った時に作ってくれるご飯はすごく安心しますし、よりおいしく感じます。料理そのものもそうですが、環境やその食事を誰と共有するかでおいしさも変わってくると思うので、食の大切さをいつも実家に帰るたびに感じています。おなかがいっぱいでも食べたくなってしまう。食事を通して体調もメンタル面も改善してしまう。そんなことができる「食」ってすごいと思いながら、この間も母のご飯を食べてました。

――大原さんも今、強くうなずかれていました。

大原:私もお母さんのお弁当が浮かんでいますね。私、小学校が給食で、中高がお弁当で、中高は購買で買ったりすることもあったんですけど、やっぱりお母さんのお弁当が好きで、甘えて毎日作ってもらっていました。お母さんのお弁当って、学生の時しか食べられないので、思い出ですね。

田澤:僕は、お母さんが作ってくれるローストビーフと…。

市原:すごい!

大原:えぇぇ!

田澤:あと、お父さんが朝作ってくれる汁もの? みそ汁とかそういうのが思い出に残っていますね。今、高校生になって朝練がないんですけど、中学の時は部活で朝練があって、朝、気づいたら汁ものが作ってあって…その時は当たり前に感じていたんですけど、今考えるとそれって本当に幸せなことだったんだなって思います。汁ものを飲むと頑張っていた部活のことも思い出して、いつまで経っても忘れられない味になってます。